ベンタイガ
(写真=Bentley)

9月の独フランクフルトモーターショーでひと際注目を浴びていたのが、イギリスの超高級車メーカー、ベントレーが出した初のSUV「Bentayga(ベンテイガ)」だった。6.0リッターツインターボW12のパワートレインを搭載したハイパワーSUVだ。8月には高級車ブランド・レクサスからLX570が日本でも発売された。LXは1996年にLEXUS初のSUVとして北米で発売されて以来、北米、中近東、およびロシアを中心に海外で販売を拡大してきたが、ついに日本でも販売された。

SUVがかつてないほど注目を集めているが、どうしてなのだろうか。


一時は燃費の悪さから敬遠されたSUV

SUVはSports Utility Vehicleの略であり、アメリカで生まれた、スキーやアウトドアなど趣味性が高い用途に使われるクルマを指す。厳密な決まりはないが、一般的にはたくさんの荷物が積め、オフロード走破性が高く、4WDであることが多い。

1990年代にはフォードやジープが相次いでSUVをヒットさせ、一躍人気のカテゴリーとして広まっていった。1990年代の世界の自動車産業はアメリカがリーダー役を担っており、SUVは世界のブームとして認識されていったのだ。

だが巨大なボディと燃費の悪いSUVは、2000年代に入るとユーザーのエコ意識の高まりもあり、敬遠されるようになってしまった。そこで今度は、V8からV6へボディサイズを小さくし、軽量化を図るようになってきて、ダウンサイジング化SUVの流れが始まった。初期のブームはアメリカの一人勝ちだったが、BMWやメルセデス・ベンツなど欧州ブランドや、日本のメーカーもSUV市場に参入してきたというわけだ。


欧州ブランドの進出のブーム要因 小型SUVも人気

燃費の悪さは圧倒的に改善され、コンパクト化されたSUVに市場が飛びつかないはずはない。一度乗ってみると分かるが、ドライビングポジションが高いため、視界が良く、ドライバーにとっても運転しやすいクルマというところがSUV人気をとくに支えているように感じる。欧州ブランドが出てきたことによる、デザインの洗練度があがってきたこともSUVブームを一気に押し上げた要因だろう。

冒頭に上げたベントレーやレクサスのSUVは、価格が1000~3000万円と富裕層向けといえるが、小型SUVは軽自動車のスズキ「ハスラー」をはじめ、マツダ「CX-5」や日産「ジューク」など、手頃な価格帯で人気を集めている。ホンダの「ヴェゼル」は2015年度上半期(2015年4月~9月)における販売台数が3万1843台となるなど、コンパクト化されたSUVは相変わらず好調である。