Fintech

(写真=Thinkstock/Getty Images)

次の有力テーマとして、金融とITの融合を意味する「Fintech(フィンテック)」が押し上げられそうだ。欧米ではフィンテック関連のベンチャーへの投資が急増し、連動して市場規模が拡大している。普及の遅れていた日本でも、競争力強化の観点から金融機関が導入を進めつつあり、近い将来に大きな流れとなる可能性が高い。関連企業をマークしたい。

フィンテックとは「Finance(金融)」と「Technology(科学技術)」の合成語で、ある特定の技術を指しているわけではない。電子的な金融ツールはすべてこれに含まれるため、例えばATM(現金自動預払機)や電子サインもフィンテックではある。

しかし、今注目されているのは、そうした既存のシステムの一歩先を行く金融ツール。高度なセキュリティーや電子決済、中小企業向けのクラウドコンピューティングを活用した財務ソフト、仮想通貨のビットコインなどが相当する。金融庁はフィンテックの広がりを視野に、新たな法整備の必要性を議論している。

米国では大手金融機関のIT投資の大半は、先進的なフィンテック技術に向けられる。一方、邦銀の設備投資は既存システムの改修や更新がまだメーンで、フィンテック需要の今後の拡大余地は大きい。まずはこの点に銘柄選択の機会が訪れる。

そして、フィンテック関連株を探る上での第2のキーワードがベンチャーだ。米国では新たな技術を持つベンチャー企業が、既存の金融事業の牙城を切り崩すケースが増えている。また、米アクセンチュアの調査によれば、金融テクノロジーのベンチャー企業に対する投資額は世界で2014年に122億ドルと前年比3倍に急増するなど、資金調達環境が飛躍的に整いつつある。

関連ベンチャーと協業 TKC、三菱紙など注目

では、具体的にはどういった関連銘柄があるのか。金融機関のフィンテック強化の動きに絡んでは、メガバンクや保険会社向けを得意とするIT関連株のSCSK <9719> 、ITホールディングス <3626> 、NTTデータ <9613> 、野村総合研究所 <4307> 、新日鉄住金ソリューションズ <2327> 、NSD <9759> 、DTS <9682> などが有力だ。

一方、より新鮮な銘柄を求めるのであれば、ベンチャー・新興系企業に目を移すべきだろう。有力フィンテックベンチャーの中にはまだ上場していない企業も多いため、出資や業務提携という形でかかわる上場企業を狙いたい。TKC <9746> は、銀行口座の明細やクレジットカード、電子マネーを一元管理できる「Moneytree」のサービスで知られるマネーツリー(東京・渋谷区)と業務提携している。TKCの財務会計システムに、マネーツリーのデータを取り込み自動的に伝票を起票できる機能を搭載。経理業務に人員を割けない個人事業主や中小企業を支援する。

インターネットバンキングにおける不正送金を防ぐ新システムとして注目されているのが、バンクガード <東京・武蔵野市> の開発した「スーパー乱数表」。認証に使う乱数表の内容を通常の数字から絵柄に置き換えるという、アナログ発想を取り入れたユニークなアイディアだ。乱数表を持たない攻撃者は口座番号が分からず、また、絵柄はキーボードに対応しないため利用者をだまして偽サイトに乱数表の内容を入力させることもできない。このスーパー乱数表の作製に三菱製紙 <3864> やトッパン・フォームズ <7862> が携わっている模様。

このほか、トレイダーズホールディングス <8704> は、指紋認証式の決済サービスを手掛ける有力なフィンテック関連ベンチャーのLicuid(リキッド、東京・港区)と合弁会社を設立。セレス <3696> はビットコイン取引所を運営するレジュプレス <東京・渋谷区> と業務提携し、ジャフコ <8595> は法人向け不正ログイン対策システムのCapy(キャピー、米デラウェア州)に出資している。(10月7日付株式新聞掲載記事)

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