◆欧州
先週の欧州の主要株価指数は米国での早期利上げ観測の後退や、ドイツのフォルクスワーゲンの排ガス不正問題で大きく売られた自動車株の買戻しなど受けて大きく上昇しました。ドイツのDAX指数、フランスのCAC40指数ともに5%を超える上昇となっています。
ユーロ/ドルは、個別材料がない中で1.11~1.13ドルの狭いレンジ推移が続いていましたが、週末9日に豪ドルなどと共に上昇し、レンジ上限である1.13ドルを明確に上抜けしてきています。ユーロ/円も135円丁度を挟んだ推移から、週末に137円丁度手前まで上昇しました。
◇ZEW独景気予測指数
13日に10月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予測指数が発表されます。今回はフォルクスワーゲンの排ガス不正問題もあって前回の12.1から大きく低下する見込みとなっています。
◆日本
先週の日本市場は大きく上昇しました。8日こそ利益確定の売りに押されて日経平均は200円近く下げたものの、8日以外は米国株高を受けて堅調な日が続きました。特に週末はファーストリテイリング(9983)が急落し日経平均を1銘柄で180円余り押し下げたにも関わらず、日経平均は300円近い上昇となりました。この結果、日経平均は週間で700円を超す上昇となっています。
ドル/円は、119.63円から120.57円の非常に狭いレンジ内の取引に終始しました。7日の日銀決定会合で追加緩和が見送られましたが、円高の動きは限定的で、10月30日の次回決定会合に向けた追加緩和期待は根強く残っていることも、下値が限定的だった一因とみられます。
◇金融政策決定会合
6日-7日に日銀の金融政策決定会合が開催され、7日の正午に結果が発表されました。その結果は現状維持で金融政策に変更はありませんでした。
会見で日銀の黒田総裁は「物価の基調は着実に高まっており、デフレ状況ではなくなった」と語り、物価の上昇基調を改めて強調しました。しかし、昨年も物価に対する強気の発言を繰り返すなかで10月30日に突然の追加緩和に踏み切ったことから、マーケットには今月30日の次回の金融会合で追加緩和を行うのではとの根強い期待があります。
◇景気ウオッチャー調査
8日に発表された9月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(DI)は前月より1.8ポイント低い47.5となり2カ月連続で悪化し、好不況の分かれ目となる50を2カ月連続で下回りました。
◆中国
先週の上海市場は国慶節の休場明けで8日と9日の週後半2日間のみの取引となりましたが、上海総合指数は大幅に反発しました。休場明けの8日は休場中に発表された9月の中国公式製造業PMIが改善していたことなどで大きく上昇した上海総合指数は、週末も10月中開催予定の5中全会を控え政策期待から続伸しました。この結果、上海総合指数は2日間で4%を超す上昇となっています。
◇中国貿易収支
13日に9月の中国貿易収支が発表されます。前回は輸出が前年同月比6.1%減、輸入が14.3%減とそれぞれ前月から低下幅が拡大したため、改めて中国経済の鈍化懸念が高まりました。今回も輸出、輸入とも前月からマイナス幅が拡大するとみられています。
◇中国CPI
14日に9月の中国の消費者物価指数(CPI)が発表されます。今回の上昇率は前回の前年同月比2.0%上昇から小幅低下し、引き続き政府が掲げる通年平均の目標である3.0%を大きく下回る見込みで、追加緩和期待が高まる可能性があります。