英郵便会社ロイヤルメール・ホールディングス が2013年にロンドン証券取引所に新規上場した際、投資家はかなり割安に購入することができた。ロイヤルメールの現在の株価は475ペンスで、売出価格の330ペンスを約45%上回っている。

日本郵政3社が11月に上場する際、日本政府も英国政府と同様の過ちを犯すのでは、と投資家は思案を巡らせていることだろう。

今回の大型IPO全体の売出総額は1兆3875億円程度となる見通しで、日本においてはここ30年で最大の民営化案件となる。


1.売出価格を適正に設定する

日本政府は、郵政3社株のうちおよそ75%を国内の個人投資家に、残りを機関投資家に販売したい考えを示している。

当然、売出価格は魅力的かつ安すぎない価格に設定される必要があるだろう。
郵政グループの持ち株会社、日本郵政 <6178> の売出価格は下限が1100円、上限が1400円に決定された。これは帳簿価額の半額以下に当たり、安すぎるようにも見える。

だが同グループには大きな問題が1つある。それは成長性だ。

郵便物は減少傾向が続いており、また昨年は同グループ税引前利益の95パーセントを生み出した、かんぽ生命保険 <7181> やゆうちょ銀行 <7182> の収益も悪化している。

また国内大手銀行の多くは、簿価より大幅に低い価格で取引されている。これらを踏まえると、郵政3社株の売出価格は魅力的かつ安すぎない価格に思われる。


2.資産を過小評価しない

ロイヤルメールのIPO(新規株式公開)前に株式公開目論見書に目を通した投資家は、同社が保有する2億ポンド相当の余剰財産の価値が同社株の売出価格に反映されていないことにすぐに気がついただろう。これにより、同社株は明らかに割安となっていた。

またロンドンの金融街シティでは、ロイヤルメールの低バリュエーション(株価評価)を正当化するためには同社の事業を近代化し改革する必要があると考えられていた。

似たような要因で、日本郵政のバリュエーションも切り下げられている可能性がある。日本郵政グループ傘下のゆうちょ銀行は、全国約24,000の強力な窓口ネットワークを持ち、また206兆円の運用資産を保有しているが、投資配分は日本国債に偏重している。

同銀の資産の大部分は、こうした国債の運用により生み出されている訳だが、もし同銀が国債だけでなく株式など、よりリスクの高い商品に分散投資を行った場合には、リターンが高まる可能性がある。さらに、法令により同銀の融資業務は制約を受けている。

同銀がリターン向上のために融資および投資方針を変更する許可を得そうだと投資家が判断すれば、売出価格が高めでも投資家が納得する可能性があるだろう。リターンを最大化するためには、政府はIPO前に課題を明確にする必要があるだろう。


3.長期目線で考える

日本においては、英国におけるロイヤルメール以上に日本郵政が社会の一部となっている。

どういった状況になろうとも、今回のIPOが何らかの批判を招くことは間違いないと思われる。新規上場する郵政3社株の短期的なボラティリティもまた、高まるだろう。

IPOの担当者は、株式公開前に同社らの今後の計画をできる限り明確に打ち出す必要があるだろう。その後は、批判を気にせず長期的視野に立って計画を進める必要がある。

こうした大規模な民営化が成功したかどうかは、数カ月で決まるものではなく、数年あるいは数十年かけて判断されるものだと考えられるからだ。


郵政3社株に投資すべきか否か

日本郵政3社株は、売出価格で購入できる人にとっては買う価値があるだろう。だが残念ながら、英国の投資家がこの段階で購入することはかなり難しい。

しかし英国市場にはまだ、簿価より低い価格で取引されている魅力的な株が存在する。こうした割安株を見つける方法を知りたいなら、「7 Simple Steps For Seeking Serious Wealth」を読むことを強くオススメする。

ローランド・ヘッド(提供: The Motley Fool

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