いまや全国区となった「コメダ珈琲」。モーニングに、ちょっとした待ち合わせに、1人のくつろぎタイムにと便利に使える喫茶店として680店舗以上を展開している(2016年2月時点)。6月29日に上場が決定したコメダ珈琲の魅力とIPOの魅力、IPO購入に適した証券会社について探っていこう。
コメダ珈琲とは?
オレンジと黒の看板でおなじみのコメダ珈琲は、本拠地である東海地方だけでなく日本中の多くのビジネスマンや主婦たちのモーニングシーンに欠かせない存在だ。
コーヒー1杯を注文すればトーストとゆで卵が付いてくる、いわゆる「名古屋式朝食」を普及させたのが「コメダ珈琲」と言っても過言ではないだろう。
コメダ珈琲はいつ上場する?
2014年12月、コメダ珈琲の大株主である「MBKパートナーズ」が持株会社「コメダホールディングス」を設立し、過去数年にわたり2桁の売上増を記録していることもあり、上場への布石かと市場関係者が色めきたった。それを裏付けるかのようにコメダ珈琲現社長の臼井興胤氏も、2016年中の上場をほのめかす発言を行ってきたが、ついに、6月29日に東京証券取引所に上場することが承認された。売出株数は3070万株で、想定価格は1960円である。時価総額860億円とも見られている大型上場案件だ。
今後のスケジュールは6月13日〜17日が抽選申し込み期間、20日に当選が発表され、21〜24日が購入申込期間となっている。こちらは証券会社によってスケジュールが異なることがあるので、注意していただきたい。
【
MBKがコメダ珈琲の株主となった経緯
】
MBKパートナーズはコメダ珈琲の株式をコメダ珈琲から直接買い受けたのではなく、投資ファンド「アドバンテッジパートナーズ」から約430億円で購入している。
コメダ珈琲の2014年度の通期経常利益は約14億円であることを考慮すると、MBKは投資額を回収するためには30年ほどかかる計算となる。
【資金回収には上場が必須?】
一般的にM&Aの利益回収までの年数は7~10年が適正とされており、コメダ珈琲が現在のペースで成長を続けていてはMBKにとってはM&A失敗と言えるだろう。
そこでこのタイミングで市場に株式を開放し、成長への起爆剤となることを期待していると推測できる。
※IPO(新規上場株)についての説明は「
IPO(新規公開株)投資を基礎から徹底解説
」で詳しく解説しているので参考にしてほしい。
コメダ珈琲の営業モデル
現在のコーヒー店は、1杯ずつ丁寧にドリップする高級感とこだわりを売りにするタイプと、手軽に素早く提供することを売りにするタイプとに大別できる。
コメダ珈琲の営業モデルをについて紹介していこう。
【低コスト高収益の時間消費型フルサービス】
コメダ珈琲は一見1杯ずつ丁寧にドリップしているコーヒー専門店と思いがちだが、実は焙煎抽出は工場で一括に行っており、各店舗では加熱だけを行っている。
コストを最低限にすることで、1人あたりの在店時間の長さという不利益要素をカバーしているのだ。
【営業利益率22%はスターバックス以上】
2014年度の売上高営業利益率は22%超と、数あるコーヒーチェーン店のなかでも成長著しいスターバックスを上回る高利益率をたたき出している。
【売り上げ、店舗数は年々上昇】
2013年度は79店舗、2014年度は67店舗、2015年度は78店舗がオープンしており、2016年度2月期時点では計683店舗に達した。2016月には中国・上海に初の海外店舗を出店し、8月には北海道に進出予定など、2020年度末までに1000店舗の目標達成に向け、中部地方以外にも着実に進出している。当然売り上げも年々増加しており、コメダ珈琲が目標として掲げる1000店舗達成も夢ではないと言えるだろう。
IPO投資の魅力
コメダ珈琲が上場する際に、新規公開株を買うことが出来る。ではIPO投資にはどのようなメリットがあるのだろうか。IPO投資は抽選に無料で参加でき、近年は当選すると高い確率で利益を得ることができる傾向にある。
【直近のIPOの事例】
直近もIPOの勢いは衰えていない。4月に上場した「ハイアス・アンド・カンパニー」は、公募価格(IPOとしての売り出し価格)950円に対して初値(上場後初めてつく株価)は2750円という結果となっている
100株単位の取引となるので、IPOとして購入し、初値で売りを行っていたら、手数料を加味しなければ18万円の利益を手にできた計算になる。
コメダのIPO株はどこで買える?
上場する前に公募価格で購入するには、ブックビルディング期間に抽選に申し込む必要がある。
ブックビルディング期間は6月13日から17日までのため、今から前もって口座を開設しておくのが望ましいだろう。今回のIPOは主幹事が大和証券、その他の幹事証券は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券、 SMBC日興証券 、 SBI証券 、 マネックス証券 となっている。
大手の対面証券会社の場合、大口投資家にIPOを裁量分配することが多いため、今からIPOにむけて口座を開設しようと思っている取引実績のない方方や普段多額の取引を行っていない投資家には、オンラインで簡単に口座開設や株取引が行えるネット証券が良いだろう。以下でコメダのIPOで幹事証券を務めるネット証券会社を紹介するので参考にしていただきたい。
【マネックス証券】
「
マネックス証券
」は多くのIPOを取り扱う証券会社である。マネックス証券の特徴として、口座単位での完全平等抽選によってIPOを振り分けるため、少額投資者にねらい目の証券会社であるといえる。
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マネックス証券の公式ページはこちらから
【SBI証券】
「
SBI証券
」はネット専門の証券会社であり、申込口数が多ければ多いほど当選の可能性が高まるので、資金に余裕がある場合は有利になる。また、抽選にはずれても、「IPOチャレンジポイント」が付与されるので、次回以降のIPO抽選の当選確率を確実に向上させることが出来るのだ。
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SBI証券の公式ページはこちら
【SMBC日興証券】
「
SMBC日興証券
」は店舗でもネットでも取引できる証券会社だが、IPOに関しては総取り扱い株数の1割をネット販売に割り当て、取引高や取引実績に関わらず平等に抽選で分配する方式を採用している。IPO初挑戦の方も小口投資家の方も、SMBC日興証券のネット窓口なら当選が狙えるかもしれない。
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SMBC日興証券の口座開設はこちらから
【カブドットコム証券】
三菱UFJフィナンシャル・グループのネット証券会社である「
カブドットコム証券
」は、マネックス証券と同じく投資額と当選確率が無関係の完全平等抽選制を採用している。マネックス証券と比べると口座開設数が1/5ほどなので、IPO割り当て数にもよるが分母が小さい分当選確率は高くなる可能性がある。
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カブドットコム証券の口座開設はこちらから
>> マネックス証券の公式ページはこちらから <<
■注目記事: 2016年IPOが期待される10社 郵政に次ぐ大型上場はあるのか?
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