上場廃止や経営破綻となった企業も

ところが、2000年前後のITバブルで多くの新興企業が上場した辺りから、商号変更は必ずしも新たな企業価値をもたらすとは言い切れなくなっている。業績の振るわない企業が商号変更を機に新規事業、研究開発、財務体質の強化などを理由にして、公募増資や第三者割当増資、CB(転換社債型新株予約権付社債)の発行を行ったことが、結果的に株式の希薄化を招いて商号変更前よりも大幅に下落するケースが目につくようになった。それどころか、上場廃止や経営破綻に至った企業さえある。

たとえば、ワイ・アリーバはゼクーに商号変更したあと準自己破産となったほか、プライムシステムはサンライズテクノロジーに変更したあとも業績が振るわずに上場廃止、リキッド・オーディオ・ジャパンはサイバー・ミュージックエンタテインメント、ニューディール と2回商号変更したあと上場廃止している。


商号変更の意図がどこにあるのか

業績不振に陥った上場企業としては、商号変更でイメージを刷新し、起死回生を図りたいのかもしれないが、上場廃止・経営破綻となれば投資家が保有する株が、何の価値もない紙切れとなりかねない危険性を内包している。

それだけに、業績不振の企業が商号変更を発表した際にはその意図がどこにあるのか慎重に見定める必要がある。単にイメージアップを図るものか、有力な提携先があるか、業績を飛躍的に伸ばす新技術の見通しなどの好材料があるか。具体的な情報が少なく疑問に感じたときは損切りする勇気も必要だろう。大切な資産を守るためにも商号変更の裏側に悪材料が潜んでいないか十分な注意を払いたい。 (ZUU online 編集部)

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