性格分析をしてくれる身内がいる――仕事の相談は同僚や友達にはすべきでない

企業は履歴書や職務経歴書から分かるキャリア情報だけでなく、性格も知りたがるもの。だが自分の性格について客観的に評価できる人はなかなかいないだろう。

そこで友人に相談するアイデアが頭をもたげるが、小松氏は「先輩や同僚、友人には相談はしないこと」といい、「両親やパートナーなど身内がいい。できればちょっと距離のある、おじさんがいい」と話す。

なぜなら身内は、ビジネスシーンから離れた時の「素の自分」を知ってくれているからだ。両親や親戚なら、自分の小さい頃から知っている人もいる。そのため、性格や好み、失敗のパターンを知っている可能性がある。

「意外と粘り強いよね」
「部活を選ぶときサッカーとか部員が多いところは絶対選ばなかったよね」
「短気なところがあるよね」

こうした生来の自分を知ってくれている人から、率直な意見がもらえる状態をつくっておくことは、地味なようで重要だ。

身内以外の誰かに頼むと、狭い考えを押し付られる可能性があるし、嫉妬心が芽生えて本音で答えてくれないことがある。さらに先輩はキャリアもプライドもあり、自分のことを否定しないから、参考になる意見は聞けないことが多いといい、同僚や友人は「愚痴をこぼす相手、ヒントをもらう程度のつながりにしておくべき」(小松氏)なのだ。


会社員でもフリーランスのつもりで過ごしている――会社に寄りかからない

会社員はどうしても「社内でのポジション」に目が行きがちで、「市場での自分の位置づけ」を考えることを忘れてしまう。小松氏は「30代の人は、今自分がフリーランスになったと仮定して考えてみるべき」とアドバイスする。デキる人材は、自分の客観的な評価、市場でのポジションというものを意識している。

会社という後ろ盾を失ったと仮定したとき、自分のどんな能力を、どのお客さんにアピールするのか。過去にやってきたこと、今やっていること、できること、したいこと。どこにネットワークがあるのか。そうした事柄を踏まえて、自分を営業するつもりでビジネスに励むのだ。

会社に寄りかかりきってしまし、自分の脚で立つ気概がなければ、いざという時に転職が成功するはずがない。

「今所属している会社の中だけで物事を考えて『うちはこうだから』となってしまうのは絶対によくない。転職市場で絶対に苦労する」と指摘。「今すぐ転職の予定がなくても、そういう思考法を持つことは有用なはず」と提案する。