ワイン投資ならではの特徴を理解する

上記の分散効果のほかにも、ワイン投資ならではの特徴がいくつかある。たとえば、投資対象としてのワインは実物資産に分類されるが、同じ品質・価値を有するワインを入手するのは難しい点が挙げられる。

ワインは同じ銘柄であっても、原材料のぶどうが収穫される年の天候などによって品質が大きく左右されるので、その年によって出来不出来があり価値が違ってくる。加えてワインは飲み物としても消費されるので、出来の良い銘柄であれば引き合いが高まる一方で流通量が年々減少する傾向がある。つまり、年月を重ねるごとに希少性が高まる可能性がある。このような傾向は、同じ実物資産の金地金やプラチナとも異なるワイン投資ならではの特性といえるだろう。

とはいえ、ワイン投資も「投資」であるので当然リスクも伴う。その一つとして品質・価値を保つのに手間がかかることが指摘される。ワインの保管は、直射日光が当たらない冷暗所で温度が11度から15度、湿度は70%から75%を維持する必要がある。ワインは非常に繊細な「飲み物」であり、コンディションが少しでも悪化すると投資商品としての価値が大きく損なわれるリスクを内包している。

ワイン投資の本場である欧州では、多年の経験とスキルに裏打ちされたワイン商に管理してもらうのが一般的であるが、そうなると保管料等のコストが発生する。このほか売買手数料はもちろんのこと、取引の多くはユーロやポンド、ドルなどの外貨建てが主流となるため為替変動リスクも考慮しなければならない。


信頼できるワイン商選びが大切

それでは、具体的にワインに投資する方法を見てみよう。まずは、自らがワイン(現物)を購入する方法がある。購入するといっても、酒屋やネットショッピングなどで手に入れるものではない。ワインは世界中に偽物が出回っており、一般の消費者には真贋を見極めるのが難しいからである。投資目的でワインを購入する際は、やはり信頼できるワイン商を選びたい。

たとえば、英国には世界最古で300年以上の歴史を誇るワイン商がある。同社はバッキンガム宮殿のワインの管理も担当しているほど格式のある会社で、ワインを購入すると有償で英国にあるワインセラーに保管してもらうことができる。そんなワイン商を利用することでコンディションが保証され、転売時の信用付けにもなる。

通常はひとつの銘柄につき1ダース(12本)からの売買で、価格は1ダースで20万円から30万円ほどで購入することができる。転売する場合は、書類上の手続きだけで所有者が変更されワインそのものはセラーから移動しないことが多い。

もう一つの投資方法は、ワイン・ファンドを利用することである。近年はメディアでもワイン・ファンドが取り上げられるようになったが、日本においてはまだまだマイナーな投資であり、なかには詐欺まがいの業者も存在するので注意が必要だ。

ともあれ、ワインは長期の熟成を経て味わい深くなるもの。それだけに、長期分散投資の対象としてじっくりと付き合うのが基本といえる。 (ZUU online 編集部)

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