IPOの当選確率の優位性も高い

対面証券に口座を開設するもう一つのメリットは、IPO(新規公開株)や公募株が買いやすいという点にある。IPO銘柄は多くの場合、初値が公開価格を上回りやすく、投資家にとっても利益を得るチャンスが大きいとされている。もちろん、すべてのIPO銘柄で利益を得られるものではないが、魅力的な投資先であることは確かである。

注意を要するのは、このIPO銘柄の購入は抽選で決められるため、誰にでも簡単に購入できるものではない点だ。

ちなみに、新規上場の業務はその企業に代わって証券会社が実施するが、その業務を中心になって取り仕切る証券会社を主幹事と呼ぶ。新規上場株式の割り当てもその主幹事が一番多くなるので、IPO銘柄の抽選に当選する確率を高めるには主幹事としての経験が豊富な証券会社に口座を開設するのが有利といえる。

この主幹事に選ばれやすい証券会社は、これまでの実績と幅広い販売網を有している対面証券である。とりわけ「大手」と呼ばれる対面証券の優位性は高い。

対面証券の特性を理解して賢く使い分ける

もちろん、対面証券はメリットばかりではなく、デメリットもある。最大のデメリットは、コストが高いという点であろう。対面証券はネット証券のように注文がすべて自動化されているのではなく、コールセンターなど選択するコースによっては人の手を介さなければならない。加えて「対面」による情報提供でも人件費を要するため、ネット証券に比べるとどうしても割高となってしまう。

このため、自分が良く知っている業界に投資をするケースや、頻繁に売買を繰り返す投資スタイルならネット証券を通じて株を購入する方が有利といえる。

しかし、自分が良く知らない業界に投資する場合や、情報の解釈に迷ったとき、もしくは長期スタンスで投資するのであれば、対面証券の担当者と文字通り「対面」でコミュニケーションしながら投資先を選ぶのも有効といえる。或いは、IPOの抽選で当選確率を高める目的で対面証券に口座を開設するのも作戦の一つとして大きな意味を持つ。このように、自分の投資スタイルや用途に応じて証券会社を使い分けるのも賢い選択といえるだろう。 (ZUU online 編集部)