米JPモルガン・チェースは企業改革の一環としてセキュリティー強化を実施。新顧客管理ソフト導入にともない、本人確認がとれない一部の顧客の口座利用停止を告知した。 本人確認が必要となるのは、米ファイナンシャル・ソフト会社Intuit Incからリリースされている「Quicken」や「Quickbooks」といったアプリを利用して、JPモルガンの口座にアクセスしている推定数十万人の顧客。これらのアプリ利用者は、来年2月15日までにログインして所定の手続きを完了させた場合のみ、JPモルガンとの継続取引が可能となる。


セキュリティー強化と顧客の意識向上が目的

現在JPモルガンは様々な内部ソフトの更新を行っており、セキュリティーを強化することで顧客情報の安全を図るほか、顧客はJPモルガンが提携している「サムスン・ペイ」用にクレジットカードなどの情報をアップロードできるようになるなど、大幅な改革が予定されている。

JPモルガンは本格的な改革を通して、支出をより有効に管理するためのツールを顧客に提供すると同時に、「ログイン情報を第3者と共有をしない」など、セキュリティー・リスクに関する意識が高まるよう働きかけていく意向である。


情報収集サイトへの懸念を強める大手金融機関

近年ファイナンス情報を含めた色々な情報収集サイトの人気が消費者の間で高まっているが、JPモルガンがデータ・リクエストによる課税を理由に、推定2000万人のユーザーを持つ米Mint.comなどへのデータフローを一時的に遮断したことが、10月に米ウォール・ストリート・ジャーナル紙によって報じられた。

JPモルガンは今回の更新手続きをあくまで「ビジネス改革」とし、第3サイトへの顧客情報の流出との関連性は否定しているが、ジェームス・ディモンCEOは消費者金融保護局(CFPB)との協議で、情報収集サイトへの個人情報の流出とそれが顧客アカウントに及ぼす影響についての懸念を示したという。

こうした動きはほかの金融機関にも共通しており、バンク・オブ・アメリカやPNCファイナンシャル・サービシズ・グループなども同様の懸念を表明している。PNCファイナンシャルの・デムチャクCEOは18日に開催されたバンク・トレード・カンファレンスで、「情報収集サイトは我々金融機関のパフォーマンスを失速させる」とコメントした。 (ZUU online 編集部)

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