ハード面の充実も人気の要因

アナログレコードが日本でも売上げを伸ばしている要因の1つとして、低価格のレコードプレーヤーが発売されたことも挙げられる。

以前は高価な再生機器が中心だったが、1万円前後からプレーヤーが手に入るようになった。今までアナログレコードの音を聴いたことがなかった世代の人たちでも、手軽にプレーヤーを手に入れ、アナログの音を楽しむことができるようになったのだろう。


世界中で開催されるレコード・ストア・デイ

「レコード・ストア・デイ」というイベントもブームの一助となっていある。これは米国のレコードショップのオーナーが発案した、「レコードショップに出向き、レコードを手にする面白さや音楽の楽しさを共有する」イベントだ。

音楽配信やECサイト、ディスカウントストアでの低価格販売によって街のレコードショップがなくなりつつある現状への対策として2008年4月19日にサンフランシスコで始まって以来、毎年4月の第3土曜日に開催されている。

日本事務局のサイトによると、「現在ではアメリカをはじめ世界21カ国で数百を数える独立資本のレコードショップが参加を表明」しているという。

日本でも2011〜12年頃から「レコード・ストア・デイ」が開催され、各地でイベントやライブが行われている。こういった催しも若者の心を捉える一因となり、アナログレコードへの興味や再認識へとつながっているのだろう。


何でも手軽な時代だからこそ「手間」がありがたみを増す

ミドルエイジのレコードファンは、音の良さ、懐かしさといった理由でアナログレコードにこだわり、親しんでいる人が多い。

一方で新しくアナログレコードの世界に入ってくる若者たちは、全く違う目線でレコードと向き合っているのではないだろうか。そこには、「かっこよさ」「目新しさ」といったファッション的要素がからんでいたり、イベント的盛り上がりに乗っかってみる「ノリ」も含まれていたりするのかもしれない。

たいていの楽曲がタダ、または安価で手軽に聴けてしまう今の時代、わざわざ手間とお金をかけて音楽を聴くという行為に、若者たちは新しい価値を見出しているのではないだろうか。アナログレコードの世界的ブームは、現代社会の価値観についても再考するきっかけといえそうだ。 (ZUU online 編集部)

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