前回は、女性投資家ならではの視線で、システム化されてしまった市場でも勝てる投資方法を紹介した。第2回目の連載では、つい飛びついてしまいがちな材料株とのうまい付き合い方、買い方を紹介していこう。
目次
元祖女性株式評論家・木村佳子の「賢い投資法」
「株を買ったからには利益を得たい!」誰しもそう思うわけですが、始めてみると、そうはうまくいかない現実に直面します。たとえば自分がいいと思って買った銘柄がなかなか展開しない場合、「買い判断が間違っていたのだろうか?」と心配になります。
ふと周囲を見回すと材料株が派手に上昇していることをよく見かけませんか。 新聞、雑誌、ネットなどで「◯◯製薬が新薬開発」とか、「サイバー攻撃を受けたニュースで対策ソフトメーカーの株式が大幅高」とか、盛んに取り上げられています。自分の持っている銘柄は低迷しているのに、材料株の値動きは見事な展開を見せているのです。
ついに辛抱たまらず、持ち株を損きりして材料株に飛びつくと?結果はどうなるでしょうか?今回は個人投資家と材料株についてを検討してみましょう。
材料は毎日世界のどこかで登場する
S子さんは浮かない顔でため息をついています。理由は手持ち株すべてが塩漬け状態になっているからです。どの銘柄も好材料が出た日に買い、その後、ぱっとしないのです。
なかには好材料が長続きして、株価が何倍にもなるケースがありますが、大多数の好材料はその日限りであることが多いといえます。すると買いが続かなくなり、材料が出た日が天井という結果になりやすいのです。
考えてみれば、世界には約73億人の人や多数の企業があり、各自各所でさまざまな活動をしています。
世界主要取引所ベスト10に上場されている企業数合計はおよそ3万社あります。そのうち世界2位の東京証券取引所上場企業の合計は3639社(2018年11月時点)です。
国内企業が研究開発、営業、決算をするだけでも膨大なデータになり、ニュースの源泉となります。それがインターネットや他のメディアを通じて日々、世界の企業動向とも合わさって報道されるわけです。
しかも、毎日毎日、新たな材料が世界のどこかから出てきます。それにいちいち反応して該当銘柄に飛びつき買いをしていると、投資成果はまず上げられないと考えるべきでしょう。