株式投資,損切り
(写真=Thinkstock/Getty Images)

株価が下落し始めると「チャンス到来」とワクワクして売買にいそしむ人もいれば、もう新聞も読みたくないと意気消沈してしまう人もいます。あなたはどちらのタイプの投資家ですか?

株価が下落したとき、どう対処すれば良いのでしょうか? 色々な対処法がありますのでそれぞれのポイントを押さえておきましょう。

ナンピン買いの「3つの前提」

ナンピン買いとは、高値で買った株が大幅に値下がりした場合、安値で株数を多く買い増して平均コストを下げようとする方法です。たとえば、1000円で200株購入した株が800円に下落した場合、-200円×200株で4万円の含み損になっています。そこで800円で200株買い増ししたとしましょう。

・1000円×200株=20万円
・800円×200株=16万円
・合計投下資金36万円

所有株400株で平均コストは900円となります。つまり、所有コストを100円引き下げられたことになり、次に株価が900円を上回ればナンピン買いした甲斐があったわけですが、注意すべきは株価が700円、600円へとさらに値下がりした場合です。

「大損で身動き取れない状態」をナンピン買いで緩和したのもつかの間、36万円分の資金はさらなる含み損を抱えることになり、資金の稼働率は思い切り悪くなります。そのような状況に陥らないためにも、ナンピン買いは、(1) 上げ相場が続いており、その銘柄の勢いも基本的には右肩上がりでその途中の下げであること、(2) 増収増益が見込めるとか、増配が予定されているなど株価支援材料がある、(3) もう下げ止まったかも?という大幅な値下がりで株数を倍以上買う……を前提に行うことを心得ておきましょう。

さっさと損切りするほうが賢明

損切は投下した資金を損失が少ないうちに素早く回収することを目的に行うものです。損がきっちり確定してしまうので、それに身を切るような痛みを感じる人にはなかなかできない対処法といえます。

損切できる人は「また次の取引で儲ければいい」とトータルリターンで捉えるため、「今の損」にこだわりませんが、「次にどうすれば良いか分からない」人には「損だけ確定してしまうのか」と不安ですし、個々の取引での勝ちにこだわる人には困難な意思決定になります。

しかし、強烈な下げ相場の「初期段階」だったり、ジリ貧で底入れの見通しが立たない場面ではさっさと損切をしておいたほうが賢明です。

バブル崩壊以降の習性を検証する

実はバブル崩壊以降、上げ相場はそう長くは続いていません。日経平均株価で上昇トレンドが維持できたのは以下の期間です。

・1995年7月→1996年6月(11カ月)
・1998年10月→2000年4月(16カ月)
・2003年4月→2007年7月(51カ月)

日経平均株価が上昇トレンドに入るのは米大統領の政権後期に当たっています。今回のアベノミクス相場もオバマ大統領(民主党)の後期に当たり、2012年11月の衆議院解散を機にスタートし2015年6月までで31か月(2年6カ月)経過しているわけです。

バブル崩壊後の最長上昇トレンド51カ月も厳密にいえば盛り上がったのは2005年5月から2007年7月の26カ月(2年2か月程度)なのです。

そして、2007年は団塊世代が60歳、2012年は65歳を迎え、退職金を手にする時期に合致している点も見逃せません。かつての資産バブルの時もそうでした。昭和一ケタ生まれ世代が60歳になった年が1986年~です。昭和10年生まれ、すなわち1935年生まれの人が60歳になった年が1995年、65歳になった年が2000年という具合に日本の個人投資家層が退職金なり年金なりを手にする周期と日経平均株価の高値は驚くほど連動しています。

もしも、こういう周期性に気が付いていた運用者がいたとしたら? 退職金を手にした人の運用先として株式投資に意欲満々になったところは恰好の利益確定の草刈り場にしたのではないでしょうか。

こうした視点を養って改めて株価が下落した時の対処法を考えると、トントンか損失の小さいうちにいったん損切りし、また新しい流れが来た時に仕切り直しても良いのではないかと思います。

相対的な判断力を養う研究期と考える

しばらく株式市場は難しい展開が続き、円高も進行する可能性が高いといえます。相場の難しい時期はいっそ、ノーポジ(現金化))適度に休養するのもいいものですが、損切できる人、できない人がいるのも事実です。

そこで、投資の研究期に充て、まだもう少し猶予期間があると思われる今の時期に手持ち株の出口戦略を検討してみましょう。

相対的な判断力を養うには、企業のIR説明会に出かけたり、会社四季報、会社情報などを読み、自分の今後の投資イメージを検証してみたり、こだわりを見つめ直してみることが大切です。

そして、よほど好きな銘柄だけに絞るなり、配当+優待でベーシックインカムを豊かにしてくれる銘柄をに厳選するなどの対処法を検討してみましょう。

また、当面は進行が予見される円高を利用して外国株を研究するとか、円高がうれしいタイプの投資信託に乗り換えるなどの方策を検討してみてはいかがでしょうか。

木村佳子(きむら・よしこ)
生活経済情報研究所 ㈱ビューズ代表、日本取引所JPX/女性講座グランドマスター。個人の生活経済、金融リテラシー、ストラテジーをテーマに民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催するセミナー等での基調講演を務めるかたわら、NPO法人日本IRプランナーズ協会理事、日本チャート分析家協会、一般社団法人くらしとしごと生活者フォーラム代表理事などの要職も務める。一級FP技能士(国家資格)。日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP。公的面では各省庁の審議会委員、専門委員などを務める。

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