(写真=PIXTA)
資産が10億(ビリオン)ドル以上の大富豪「ビリオネア」の女性が20年前の7倍である145人に達したことが、スイスのUBS銀行とプライス ウォーター ハウスクーパースがまとめた 「2015年ビリオネア・レポート」で分かった。男性富豪(1202人)に数こそ負けてはいるものの、成長速度では女性大富豪がリードしており、特にアジア諸国を中心に成功をおさめる女性起業家の活躍が大きく貢献しているという。
また1995年にビリオネアだった289人が2014年には126人まで減っており、富の維持の難しさも浮き彫りとなっている。レポートでは中国の格言「富不過三代」(富は三代続かず)も紹介している。
成長速度は女性が男性をリード
アジア諸国の女性大富豪の成長率は2005年から8.3%の伸びを見せており、欧州(2.7%)や米国(1.7%)の勢いをはるかに超過している。
こうした大富豪の中には家族から富を受け継いだ女性も多いが、近年は英ケンブリッジ大学卒業後、商業ビル開発事業、SOHOチャイナを夫とともに設立し、総資産30億ドル(約3655億8000万円)といわれる不動産女帝の座にまでのし上がった張欣(Zhang Xin)氏を筆頭に、中国、インド、香港などで一から財を築き上げた女性が目立つ。
欧米で教育、経験を積んだ若い女性起業家が活躍
女性ビリオネア起業家の平均年齢は53歳と比較的低く、張欣氏のように欧米で受けた教育や経験を母国のビジネスシーンに活かして、大成功をおさめた例も少なくはない。
男性、女性ともに最も経済的な成功をおさめたセクターは20年前と変わらず「消費財、小売業」だが、「テクノロジー」「ファイナンス」が5%近くの伸びを記録するなど、様変わりを見せている。一方、総計では下降線を辿っている「工業」「不動産」「医療」が、アジア女性起業家に成功をもたらせた3大セクターという点が興味深い。
金融業界で巨額の富を築いた女性起業家の1人は、自分の子供には事業の引き継ぎを期待していないとコメント。「それよりも自分が受けた教育と情熱を活かせる道に進んで、そこで成功して欲しい」
しかし突出した富を持つことを嫌う中国政府の圧迫により、自らの財産を死守しようとする中国の大富豪の傾向を、ビル・ゲイツ氏やマーク・ザッカーバーグ氏など、自ら築いた財産を惜しみなく世界平和に費やす欧米の大富豪の姿勢と比較する声も、一部からあがっている。 (ZUU online 編集部)
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