(写真=PIXTA)
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12月、東京の平均気温は9.9度

今年の冬は例年とちょっと違う――。12月に入ってからも東京の最高気温が摂氏25度に接近する日(12月11日)があるなど、暖冬なのだ。気象庁によると、12月21日時点で東京の12月の平均気温は9.9度と平年の7.6度を2.3度上回っている。9.9度を記録した2010年以来の暖冬である。

この原因は、「エルニーニョ現象」と言われている。「エルニーニョ現象」とは、南米・ペルー沖から日付変更線付近までの赤道近辺の海面温度が平年に比べて高くなる現象のことだ。日本から見れば、地球の裏側のことだが、「エルニーニョ現象」が起こると、遠く離れた日本では暖冬になりやすいことが知られている。

では、暖冬になるとどんな銘柄が注目できるだろうか。常識的に考えると、暖冬になれば、外出する機会が増えやすいので、レジャー・外食関連などの銘柄がまず注目できる。

スター・ウォーズの公開

今度の冬は、「スター・ウォーズ7~フォースの覚醒~」など大型ヒット作の公開もあって、映画館の興行収入が増える可能性が高い。東宝 <9602> 、東映 <9605> などの映画配給会社。映画館のほかスーパー銭湯も展開する東京楽天地 <8842> や、飲食店も展開するスバル興業 <9632> のほか東京テアトル <9633> 、きんえい <9636> などが注目できる。すかいらーく <3197> 、ドトール日レス <3087> など外食関連は挙げればきりがない。

テーマパークへの入場者数の増加も考えられる。東京ディズニーランドを展開するオリエンタルランド <4661> 、よみうりランドのよみランド <9671> 、東京ドーム <9671> などに追い風となる。ただ、西武ゆうえんちを抱える西武HD <9024> の場合、積雪不足でスキー場の来場者数減少が予想されるので、差し引きマイナスか。

暖冬で桜が狂い咲き…影響を受けるのは?

一方で、暖冬とはいえ、冬季特有の乾燥は免れない。インフルエンザ、O-157などの流行も警戒され、感染防止でマスク関連の日清紡HD <3105> 、ダイワボウHD <3107> 、シキボウ <3109> 、日本バイリーン <3514> 、ユニ・チャーム <8113> が注目できる。

暖冬で桜が狂い咲きしたり土筆が顔を出しており、スギ花粉など花粉症の流行が早まる可能性もある。飛散量が増加すれば、鼻炎剤や目薬などの花粉症改善薬が例年よりも販売増となる。この関連では先のマスク関連のほか、明治HD <2269> 、協和発酵キリン <4151> 、大日本住友製薬 <4506> 、塩野義製薬 <4507> 、田辺三菱製薬 <4508> 、エーザイ <4523> 、ロート製薬 <4527> 、参天製薬 <4536> などがある。

暖冬で天気がよく、外出が増えて乾燥していれば、当然、洗濯物が増える。家庭用洗剤の花王 <4452> やライオン <4912> に追い風となる。桜が狂い咲きするほどだから、昆虫もぞろぞろ這い出してくるかもしれない。例年、冬季は閑散期となるアース製薬 <4985> 、フマキラー <4998> には、サプライズの需要拡大となる。

乾燥で気になるのが女性のお肌だ。外出機会も増えれば肌のお手入れも進もうというもの。化粧品の資生堂 <4911> 、花王、ポーラ・オルビスHD <4927> 、美顔器のパナソニック <6752> 、ヤーマン <6630> に注目。

暖冬の影響で、桜が狂い咲いているが、冬に見ごろを迎えるチューリップやシクラメンなどの開花時期が早まり、テーマパークなどでは、株の植え替えなどに忙しいようだ。種苗メーカーのサカタのタネ <1377> や取扱量拡大が期待できる大田花き <7555> なども穴株だ。

天候がいいとき、忘れてはいけない「あの会社」

忘れていけないのは、ゼネコンや土木工事会社だ。各社とも手持ちの受注残が豊富で2016年3月期の増額修正期待が大きい銘柄ばかりだが、天候がよく暖冬となれば、工事の進捗が進み、施工効率がアップする可能性がある。

大成建設 <1801> 、大林組 <1802> などの大手ゼネコンはもちろん、業績変化率の大きさなら、銭高組 <1811> 、西松建設 <1820> 、奥村組 <1833> 、浅沼組 <1852> などの中堅ゼネコンに妙味がありそうだ。ゼネコンの施工が進捗すれば、高砂熱学工業 <1969> などサブコンの施工も進む。NIPPO <1881> 、前田道路 <1883.> 、日本道路 <1884> などの道路工事会社や、ライト工業 <1926> 、日特建設 <1929> などの特殊土木工事会社などもチェックしておきたい。

ただ、「暑いときにはそれなりに、寒いときにはそれなりの商品が売れるのがベスト」(市場関係者)だ。冬物衣料や暖房器具などを取り扱う企業にとっては、暖冬はマイナス要因となる。衣料関係のファーストリテイリング <9983> 、しまむら <8227> 、島忠 <8184> 、ユナイテッドアローズ <7606> 、青山商事 <8219> 、コナカ <7494> などには逆風となる可能性がある。

11月の売上が下がったあの企業

実際、やはり例年と比べて暖かかった11月の月次売上をみるとファーストリテイリングの場合、国内ユニクロの既存店売上高は前年同月8.9%減と前年実績を下回った。客数は12.9%減。冬物実需商品の販売が苦戦したのが要因だ。暖房器具では、石油ファンヒーターのコロナ <5909> 、ダイイチ工業 <5951> がある。燃焼商社のシナネンHD <8132> にも暖冬は逆風だろう。ブリヂストン <5108> などのタイヤメーカーにとっては、冬用タイヤの販売が減少する要因となる。

気象庁によると、12月22日から28日までの1週間のうち、前半は全国的に気温が平年並か平年より高いという。平年より「かなり高い所もある」という。一方、期間の後半になると、気温は平年並か平年より低い見込みとなっている。冬型の気圧配置が強まり、北日本や東日本日本海側で荒れた天気となる可能性があるという。暖冬はそう長くは続かないかもしれない。(ZUU online 編集部)

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