相続相談
(写真=PIXTA)

相続を経験した人なら理解できるかもしれないが、相続が発生するとその手続きは煩雑で理解できないことが少なくない。そこで頼りになるのが専門家だが、ひとくちに相続の専門家といっても、相続に関する専門家をうたっている窓口は多く、実際「どの相談」を「どんな人」に依頼すればよいか迷ってしまうことも少なくないだろう。そこで今回は、相続の専門家の正しい選び方について紹介したい。

相続相談はなぜ必要か

2015年1月1日に相続税・贈与税の税制が大きく改正されたことに伴い、新聞や雑誌、テレビなどのメディアで相続が取り上げられるようになった。近ごろの終活ブームで自治体や団体などでも終活セミナーが増えた。相続の最終ゴールは故人の相続財産や想いを、相続させたい人や相続する権利のある人に困惑せず円満に受け取ってもらうことだろう。そのためにも自分にあった終活や相続のプランニングが重要性を持つ。

昔に比べて個人の財産や持ち物も増えているため、相続に関しては分からないことが多いだろう。まして、相続に関する税制やルールは複雑で幅広い分野にわたる。なかなか自分で考えて実行することも難しいし、ルールを無視して行動するとさらに面倒になることもある。ただ、相談が必要だと分かっていても相続に関する相談をうたっている業者や専門家が多く、実際どこに行ったら迷ってしまう。

どこに相談にいったらいいの?

では各業者や専門家ができる役割をそれぞれ検証してみよう。

まず、死後の遺族年金が知りたいのであれば住所地の管轄の「年金事務所」に行くと良い。「社会保険労務士」が相談にのってくれる。年金受給者が死亡した後の年金の手続きの相談も「年金事務所」だ。

「お寺が決まっていない」「宗教が決まっていなくてお寺や宗教を決めたい」などの場合、「葬儀社」に相談すると宗教の特徴を教えてくれたり紹介をしてくれたりする。お寺が決まっている、宗教が決まっているのであれば葬儀の事やお墓のことは「菩提寺」やご自分の宗教で相談できるところにしよう。それぞれの宗教にはルールやしきたりがあるようだ。勝手にやって後でトラブルになったというケースもある。

相続対策を保険でしようと思うなら保険会社を複数社扱っている「保険代理店」がよいだろう。保険会社の相続対策商品は各社様々であるため複数から自分にあったものを選択する必要がある。

不動産で対策しようとするなら「不動産屋」や「建築会社」である。住む人のいなくなる空き家問題も「不動産屋」は相談にのってくれる。不動産における対策はさまざまな方法があるのだが、ローンを組むケースもあるため、メリット、デメリットを良く考える必要がある。

相続税の納税に関する相談は「税理士」である。もちろん「税理士」は相続税の計算や申告もしてくれる。

複雑な土地の評価を鑑定してほしければ「不動産鑑定士」であるが、相続は死亡時の評価であるので、相続発生後でも間に合う。土地を分筆し、登記しようと思うなら「土地家屋調査士」である。土地そのもの登記は「土地家屋調査士」、土地の人の権利の登記は「司法書士」の役目である。つまり相続後の土地の名義変更は「司法書士」に相談できる。

成年後見制度は「司法書士」「行政書士」でも相談にのってくれるが「法テラス」も活用できる。遺言相談は「弁護士」が良いだろう。相続後のもめごとにも詳しい。実際相続でもめ、協議や調停でまとまらず裁判に発展しそうであれば「弁護士」に相談する。また、遺言を公正証書で残すと決め、ある程度方向性が決まっているのであれば「公証人役場」に行けば良い。相続後、相続人関係説明図の作成や遺産分割協議書の作成、相続人の調査などは「行政書士」に相談すると良いだろう。そのほかにも「銀行」や「信託銀行」「証券会社」も相続相談には必要なケースも多い。

相続相談はバランス重視で

以上のように、相続相談はその人によって必要な専門家や業者が違ってくる。そして何より相続には全体を見渡せるアドバイスが重要だ。偏った相続アドバイスは、混乱を招くためバランスが重要だ。社会保険制度や保険、金融、不動産、税制、相続の知識をバランス良く持っている専門家といえば「ファイナンシャルプランナー」である。

ファイナンシャルプランナーは、各種専門家や業者と連携をとっていることも多い。相続相談の入り口は、ファイナンシャルプランナーが適任と考える。そのほかにも相続全体をアドバイスする資格団体もあり、アドバイザーを名乗る人も多い。その中には優秀な人もいる。

いずれにしても、目的にあった専門家や業者を選ぶことが大切なのだ。ただし、専門家や業者であっても全員が相続に強いというわけではない。税理士でも税理士試験で相続科目はとらなかったという人や一度も相続案件はやったことがないという人もいる。ファイナンシャルプランナーも同じ。得意分野があり資格は持っているが実務はしていない、ということもある。専門家や業者、アドバイザーを決める際には、ホームページの有無や記載内容などを見ながら人柄が良く、面倒見のよい人を選択したい。まずは一度会ってみることが先決だろう。

廣木智代 ファイナンシャルプランナー(CFP)
結婚後、家業のスナックで手伝いをしていたが母の引退と共に廃業。家計の苦しさを埋めるための我が家の保険の見直しをきっかけに、お金に賢くなるお手伝いをするべくCFP資格を取得。心と体とお金の健康バランスを軸に、個別相談、セミナー、執筆を展開中。 FP Cafe 登録FP。

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