(写真=Thinkstock/Getty Images)
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年初から波乱が続く株式市場。このような情勢で想起される格言が「人の行く裏に道あり花の山」である 。この格言は他人と同じことをやっていては相場で利益を得ることは難しい。むしろ、他人と逆の行動をとることが肝要であるという意味である。

この格言は一説には千利休の句とされている。「人の行く裏に道あり花の山」は上の句であり、下の句は「いずれを行くも散らぬ間に行け」とされる。つまり、表の道でも裏の道でも良いので、花が咲いているタイミングで行きなさいという意味だ。この下の句を重視して、投資のポイントは投資先(裏の道)とタイミングだと講釈する人も数多くいる。また、この格言は株式投資をする人であれば、およそ誰でも知っているとされている。それは、「裏」や「花」という言葉がさまざまな意味のこもった日本語であり、格言を聞く人に様々なインスピレーションを与えるからだろう。

逆張りか?バリュー投資か?

「花の山」は言うまでもなく春に満開となっている桜の花だけを指すのではなく、人目にとまっていない宝物を指す隠喩である。「裏」といえば「裏をかく」、「渋滞時に裏道を走る」など、頭脳を使って良い結果を得るという意味でよく使われる。花見の場所取りのように群衆の集まる場所で面倒な思いをした経験が多い人ほど、「人の行く裏に道あり花の山」というフレーズに魅力を感じるかもしれない。この格言は、投資において群衆心理と距離を置くことの重要性を伝えている。

しかし、ここから先の解釈については個人的に幅があるように思える。最も有力な説は「逆張りの勧め」である。

中邑悟氏の著書「わかりやすい読みやすい引きやすい株式用語1000辞典」(日本実業出版社)によれば「多くの投資家が強気一辺倒で、買い人気に市場が沸き返っているときに、人のやらない利食いをそっとやり、相場が下がって総弱気のときに、安値で買っておけという意味で、人気の裏を行くのが成功の道」と説いている。一方、日本証券業協会Webサイトの「相場格言集」では「株式相場は、上げばかりでもなければ、下げばかりが続くこともない。どこかで転機を迎える。その転機を、どうしたらつかめるか。(中略)大勢があまりにも一方へ偏り過ぎたときなどには、この格言を思い出すことだ」としている。

しかし、市場関係者のなかには逆張りとは違う意味で使う向きもある。たとえば最近の相場で物色対象になったことのない出遅れ株を買いましょうという意味で使われるケースである。「人の行く道」は相場の軸となっているテーマ株や主力株であり、一方の「裏に道あり花の山」とは人気がない優良株という解釈だ。

息の長い相場ほど、出遅れ銘柄には「先行して上昇した銘柄に比べて割安に放置されている」という理由で水準訂正の買いが入る機会が増える。だから、既に大きく値上がりしてしまった銘柄は避け、安値放置の優良株を冷静な目で探しましょうという「選別物色やバリュー投資の勧め」であるという説だ。

どちらが表で、どちらが裏か

情報化社会の現在では、人の行く「裏の道」を探し出すのは難しくなっている。投資手法の多様化により、表と裏の区別も明確につきにくくなっているように感じられる。「裏の道」を探す方法は、投資家が100人いれば100通りあるといって良い。こうすれば儲かるというような正解はないし、単純に直近で下がっている株を買えば良いわけでもない。

昨今の世界同時株安でも悲観的な見方もあれば、絶好の買い場と主張する長期投資家もいる。どちらが表でどちらが裏か、それを見極めるには、もうしばらく時間がかかりそうだ。(ZUU online 編集部)

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