(写真=Thinkstock/Getty Images)
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目次

  1. はじめに
  2. ナチスからの迫害経験で学んだこと
  3. ソロス流再帰性理論で市場を新たな角度から見る

はじめに

本連載ではジョージ・ソロスの生き方や考え方について紹介する。投資家として成功するためには具体的なノウハウや情報収集等も当然重要なのだが、それ以上に土台となる人生観や投資との向き合い方が重要になるかもしれない。

土台がしっかりしていれば、ノウハウ等は後からでも学べるものだ。そこでソロスの投資家としての基盤について解説するのだが、抽象的な内容と合わせて具体的な言動についても説明する。

土台があって、個々の具体的な言動がある、というイメージで読み進めてほしい。

ナチスからの迫害経験で学んだこと

ドイツの経済誌『WirtschaftsWoche』のインタビューで、国際情勢についての見解を求められた著名投資家ジョージ・ソロス氏は、投資において非常に役立つ心得を、ナチスからの迫害を家族とともに切り抜けた自らの経験を通して学んだと述べた。

1944年、ナチスがマルガレーテ作戦によりハンガリーを侵略した際、ソロス氏の父親は家族全員の身分証明書を偽造することで魔の手から逃れた。父親の機転によって命拾いしたソロス氏は、この時に「問題から目をそらさず、真正面から立ち向かう方が賢明だ」と悟った。

それ以来ソロス氏は物事の「影の側面」に目を向けるという手法から、金融市場でも政治哲学でも大いに恩恵を受けている。「夜明け前はいつだって真っ暗闇だ」

ソロス流再帰性理論で市場を新たな角度から見る