ジョージ・ソロス,失敗,投資家
(写真=Getty Images)

目次

  1. 伝説の投資家も失敗する
  2. なぜ1000億円もの損失が出たのか その背景
  3. 教訓1:予想外の動きをしたらとりあえず手仕舞い様子を見る
  4. 教訓2:1つのアイデアに固執することなかれ
  5. 教訓3:相場の流れに身を委ね、適応せよ

伝説の投資家も失敗する

今回【第3回】ではジョージ・ソロスの大失敗について紹介する。投資である以上当然失敗はつきもので、それはどんなに偉大な投資家であっても同じだ。失敗しない投資家は存在しない。

重要なのは失敗のリカバリーとトータルで成功することだろう。常に失敗することも視野に入れたうえで、損失を最小限に抑えるための施策を打つことが重要だ。そういう意味では、伝説の投資家の失敗体験を学ぶことは成功体験を学ぶことよりもむしろ重要なのかもしれない。

ちなみに、今回紹介する内容ではソロス氏はポジション調整、手仕舞いのタイミングが遅れている。ソロス氏の場合投資金額が大きい分判断に遅れるという事情もあるが、伝説の投資家でも判断ミスに判断ミスを重ねてしまうことがあるのだ。

なぜ1000億円もの損失が出たのか その背景

米大統領選挙でトランプ氏が勝利して以降、ジョージ・ソロス氏が10億ドル(約1100億円)近い巨額の損失を出していたことがわかった。伝説的な投資家にとっては大失敗となったのだが、一体何があったのだろうか。そして、彼の失敗から投資家は何を学ぶべきだろうか。

教訓を学ぶ前に、そもそもなぜソロス氏が1000億円以上の損失を出してしまったのか、その背景について簡単に復習していこう。

トランプ氏勝利後に世界の金融市場で生まれた主な流れは株高・債券安である。米国株式は史上最高値を更新し、日本株など他国の株式市場もそれに追随する形で大きく上昇する結果となった。一方、米国の長期金利をはじめ世界の金利が急上昇した。金利の上昇はすなわち債券価格の下落を意味するため、株式とは対照的に債券価格は大きく下落した。これは典型的なリスクオン(投資家が株式などリスクが高い商品に積極的に投資をすること)の展開である。

トランプ氏が掲げる大規模なインフラ投資や減税が経済成長を押し上げるとの見方が台頭し、株式市場にとっては大きな追い風となったのだ。一方、減税やインフラ投資は米国の財政悪化を招くとの見方が強まり、米国の長期金利は急上昇して債券市場は大きく下落することになった。

ソロス氏が具体的にどのようなポジションをとっていたのかは不明だが、ソロス氏はトランプ氏が米大統領選挙で勝利すると金融市場に対しては弱気となり、株価も下落すると予想していたようだ。

このような状況でとるポジションは株式のショート(空売り)や債券のロング(買い持ち)などである。また、ゴールドのロングも考えられるが、基本的には株式のショートで対応したのではないだろうか。実際、報道でも年末までにソロス氏が多くのショートポジションを解消したと報じられていた。

結果としては、トランプ氏勝利後はこの3つのどれを選んでも大失敗であった。株価は史上最高値を更新し、債券価格は急落、ゴールドの価格も下落した。その結果、大統領選挙からわずか1か月足らずでソロス氏は多額の損失を計上することとなったのだ。

教訓1:予想外の動きをしたらとりあえず手仕舞い様子を見る