日本刀,ETF,投資
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「ETFを始めませんか?」そんなことを言われても、投資経験のない人には、何のことかさっぱり分からないだろう。ETF?上場投資信託?そう聞いたとたん拒絶するかもしれない。「もっと生活実感に根ざした分かりやすいネーミングが必要だ」「わざわざ難しい商品名で消費者を遠ざけてどうする」「分かりやすさは時代のニーズなんだ」今回のETF特集を企画するにあたり、JPX(日本取引所グループ)CSR推進室の方々との議論の一幕である。

食品や家電製品、ファッションなどの商品名は直感的に興味を引くように工夫されている。つまり、良い意味で遊び心がある。ところが、金融業界は悪い意味で真面目すぎる。結果として投資経験のない人を遠ざけるような小難しい商品名が命名される。一般の消費者にとって金融業界とは、近づきがたい「得体の知れない業界」なのかもしれない。

私たちが生きるうえで、お金は最も大切なものの一つだ。恐らく、お金が嫌いだという人は一人もいないだろう。ところが、それが金融、投資と名前を変えたとたんに多くの人が拒絶反応を示すのはなぜか。得体が知れないからだ。ETFも本質的には同じ問題を抱えている。金融、投資は家電製品やファッションのように、もっと身近なものであって然るべきではないか。

もちろん、ネーミングの問題だけではない。日本でETFが一般に広く普及するための課題は他にもある。たとえば、金融機関の販売姿勢だ。

金融機関がETFを勧めたがらない理由

ETFのメリットの一つに投資コストの安さがある。しかし、金融機関としてはETFを販売しても手数料があまり得られないため、積極的に勧めたがらないという事情がある。ETFよりも手数料収入の高い投資信託などを販売したほうが、ビジネスとしてのメリットが大きいからだ。

売り手の持っている情報と、買い手の持っている情報に大きく差が付いていると、どうなるか。売り手は専門知識と情報を持っている。一方の買い手はそれを知らない。売り手は「欠点のある情報」を隠すこともできる。買い手にとって「得する情報」も隠すこともできる。これでは買い手は、売り手の都合のいい条件を吞まざるを得なくなる。こうした売り手と買い手の情報格差を経済用語で「情報の非対称」という。

実際、個人投資家が入手できる情報は銀行や証券会社を経由したものがほとんどである。それらの中には、あわよくば金融商品の販売に結びつけたいという下心が透けて見えるものもある。「情報の非対称」を是正するのは私たちメディアの社会的使命であり、それはETFの普及に向けた課題にも通じる。もちろん、資産運用の道具としてETFを選択するかどうかは個人の自由であるが、真の自由意志で判断するためにも「情報の非対称」を是正したフェアな環境づくりが急務である。

日本人の金融リテラシーの問題

一方で日本人の金融リテラシーの問題もある。日本では株式投資というと「短期売買」「ギャンブル」のイメージが未だ強く、そのために長期分散投資という考え方が根付きにくい側面がある。

金融機関としても、短期売買で頻繁に取引してくれたほうが、手数料を稼ぎやすいという事情もあるだろう。確かに現在の短期志向の投資家が、年に数回しか取引をしない長期投資に鞍替えすると手数料収入は激減するかもしれない。しかし、目先の手数料収入を重視するあまり、投資人口が現在の何倍にも拡大する未来の可能性を握り潰しているとすれば、本当に残念な話である。

もちろん、短期売買、ギャンブルは株式投資の一つの考え方として否定はしないが、それがすべてではないはずだ。結婚や子育て、親の介護、セカンドライフなど10年、20年先の未来を見据えた長期分散投資という考え方がもっと広く普及しても良いのではないか。株式投資は短期売買、ギャンブルという先入観を植え付けているものは何か。長期分散投資という巨大な潜在ニーズを掘り起こすことができないのはなぜか。その背景には先に述べた「情報の非対称」という問題が大きく立ちはだかっている。

投資について考えることは、未来について考えることでもある

1996年に第2次橋本内閣の提唱で推進した、大規模な金融制度改革「金融ビッグバン」は金融機関のグローバル競争の幕開けを告げるものであったが、同時に私たち消費者にとっては「リスクの自由化」「リスクの民主化」の始まりであったとも考えられる。すなわち、リスクをとる者と、とらざる者の格差社会の幕開けである。あれから20年、少子高齢化が進行するなかで多くの日本人が「リスクをとらないリスク」を選択していることに気づいていない。

冒頭で紹介したJPXとの議論では「金融機関のバイアスのかかった情報を一方通行で伝えるのはダメだ」「個人投資家がリアルに集まって、共に考え、自由に情報交換し、議論できるコミュニティをつくるべきではないか」との意見も聞かれた。今回の議論を通じ、情報の非対称の是正という問題意識を共有できたことが、筆者にとっての最大の収穫である。

未来とどう向き合うかは人それぞれである。投資について考えることは、未来について考えることでもある。リスクをとることは、未来を斬り開くことでもある。すべての日本人が投資の本質について深く考えるようになれば、この国の未来はきっと明るくなる。未来を創る選択肢の一つとして、ETFという便利な道具があることを知って欲しい。私たちZUUonline 編集部が、そんな想いを込めて取り組んだ企画。日本の未来を守り育て、強くする「ETF特集」のスタートである。(ZUU online 編集部)

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