米ラトガース大学がビットコイン経験者(ユーザー)とビットコイン未経験者を対象に行った調査から、「ビットコインを利用するにあたり、テクノロジーなどの専門知識は必要ない」という非常に興味深い結果が報告されている。
ビットコイン未経験者も難なく取引完了
工学修士号を取得したヤンネ・ リンドクィスト助教授が、ビットコインがいまだ広範囲にわたって受け入れられていない原因を追究する目的で実施したこの実験。対象者の数が米国在住の経験者・未経験者それぞれ10人と少ないことが気にかかるが、「複雑そう」「使い方が分からない」とビットコインを敬遠していた未経験者6人と、ビットコインの存在すら認識していなかった4人が、実際は難なくビットコイン取引を完了させることができた。
一方既にビットコイン取引に精通しているはずの経験者では、取引過程やプロトコルの仕組みなどに関する基礎的な知識が欠落していることが判明した。
プロトコルに関して正確に理解していたのは10人中たった1人。残りの経験者は誤った解釈や知識を持ちあわせており、中には「ビットコインはほかの決済法より早い」「クレジットカードよりも帯域幅が広い」といったチンプンカンプンな回答も見受けられた。
ほかにも面白いことに、反政府、反規制主義者が目立った経験者の中で、ビットコイン取引には「政府の保障や規制が設けられるべきだ」と考える傾向が強いという。
また両グループともに、理想とする決済システムとビットコインが相互関係にあることなども分かっている。
こうした調査結果から、リンドクィスト助教授は「ビットコインを利用したいと考えている初心者向けに、容易に理解できるガイドライン(記事やチュートリアルなど)を提供することが、ユーザー増加につながる」と結論づけている。
調査の詳細は正式にレポート化され、コンピュータ科学分野の国際学会ACM(国際計算機学会。チューリング賞の授与団体でもある)の主催で5月に米カリフォルニアで開催されるコンファレンス「コンピューター・システムにおける人間工学」で発表される予定だ。(ZUU online 編集部)
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