ETF,ポートフォリオ
(写真=Thinkstock/Getty Images)

10年、20年先を見据えた資産形成は、余裕のあるうちに始めておきたいもの。子供の教育費や親の介護、セカンドライフなど、すぐには用意できないまとまったお金はどのように準備しておくべきか。今回は、流動性がある程度確保され、運用コストが低いETFを活用した資産形成を紹介する。近年、30~40代の長期資産形成の手立てとして注目されている運用方法の一つである。

「自分ポートフォリオ」づくりのコンセプト

今回ZUUonline 編集部から提示された「想定相談者」は30代の共働き夫婦で、子供はなし。夫婦合わせて800万円の年収がある。出産、育児、子どもの教育、親の介護、定年退職後など数十年先の将来を見据えた運用を希望している。30代の共働き夫婦向けにETFを活用した「自分ポートフォリオ」の作り方を一緒に見ていこう。

まず、上記世代がセカンドライフまでを見据えた投資を考える場合、時間を味方につけた長期運用が可能となる。同時に、より大きな運用成果を残すためには、収益やリスクをコントロールしやすいポートフォリオを組むことが重要である。以上の観点から、筆者は「基本ポートフォリオ」を維持しながらの運用を提案したい。基本ポートフォリオとは、投資する資産を種類ごとに構成比率を決め、そのバランスを守りながら運用する投資手法のことである。政策アセットアロケーションとも呼ばれ、長期運用ではよい結果をもたらすとして、保険会社や年金基金などでも用いられるポートフォリオである。

筆者が考える「自分ポートフォリオ」

それでは具体例を紹介したい。筆者が考える「自分ポートフォリオ」は以下の通りである。

①先進国株式 20% iシェアーズ MSCI コクサイ ETF  ※
②新興国株式 20% バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF ※
③日本株   20% 日経225連動型上場投資信託 <1321>
④先進国債券 15% iシェアーズ米国国債7-10年ETF
⑤新興国債券 15% 上場インデックスファンド新興国債券 <1566>
⑥その他   10% 不動産ETF等
※日本の取引所には上場されていない海外ETF、証券会社で購入

まず、ポートフォリオの概要について説明していこう。30代共働き夫婦は、年齢面、仕事の収入面から比較的リスク許容度が高いため、価格変動の影響を受けやすい株式の構成比率や国外資産の比率を高め、長期運用により高い運用収益を目指すことができる。そのため、株式の比率が全体の6割という構成だ。一方、地域分散及び資産分散の観点から、国内と海外、債券とその他ETFを一定の割合で組み入れている。

個々の要素をさらに具体的に見ていくと、外国株式では先進国部分を「iシェアーズ MSCI コクサイ ETF」、新興国部分を「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」で構成している。国内株式としては、流動性リスク(株式や債券を売買したくてもすぐに売れないリスク)の低い「日経225連動型上場投資信託」を選択した。外国債券では、信用リスクを抑えながら金利リスクを取りつつ比較的高いリターンを目指したETFを選んでいる。また、その他として、株式市場とは異なる要因での価格変動が予想されるETFを組み込んでいる。具体的には、不動産ETFや金ETF、そしてエネルギー関連ETFなどがある。

運用資産の配分比率の「変動」に注意

次に上記ポートフォリオを運用する上で、注意すべき点について述べておこう。

今回のポートフォリオ運用を実践した場合、予想される大きなリスクは株式市場が下落傾向に陥った時だ。たとえば、株価が値下がりして株の比率が低くなれば、債券比率が高くなる。そうした場合は、株を買い足すか、債券を売るか、或いは債券を売却して株を買うかのいずれかの手段でポートフォリオをリバランスさせる必要がある。また、インフレやデフレといった経済状況に対応してリバランスすべき局面も想定される。経済動向には常にアンテナを張って意識することを心掛けたい。アセットアロケーションの性質上、米国経済の影響を受けやすいことにも留意したい。

ポートフォリオ運用はリバランスが肝となる

ETFは長期運用の方法として非常に有効だが、ポートフォリオを組むことやリバランスの方法が難しいと感じることだろう。しかし、ETFを賢く活用してポートフォリオを構成することで、金融機関で販売される「バランス型ファンド」と比較しても格段の低コストで同等の期待リターンを目指すことができる。上記に掲げた「自分ポートフォリオ」を参考にしながら、運用の目的や運用期間などによって、構成比率を微調整しながら「自分ポートフォリオ」を運用してみよう。

繰り返すが、運用期間中はリバランスが最も重要な作業となる。短期売買のように値頃感やテクニカルで売り買いするものではなく、あくまでポートフォリオの資産構成の比率を調整する際に売買するものと心得てほしい。ETFを活用したポートフォリオ運用を開始する前に、リバランスについて十分に勉強することを勧めたい。

武藤 貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーや執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。 FP Cafe 登録FP。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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