先週発表された主な経済指標

非農業部門雇用者数 1月 +15.1万人 市場予想 +19.0万人 前月 +26.2万人
失業率 1月 4.9% 市場予想 5.0% 前月 5.0%

5日に発表された雇用統計は、非農業部門雇用者数こそ市場の予想を下回ったものの、その他は労働市場の堅調さを確認させる好内容でした。

非農業部門雇用者数は前月差+15.1万人と市場予想を下回りましたが、失業率は4.9%と約8年ぶりに4%台まで低下しました。平均時給の伸びも前年比2.5%増と市場予想を上回る伸びとなりました。米国株式市場は3月利上げの可能性が高まったとして大幅に下落しました。

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今後発表される主な経済指標

1月 小売売上高(前月比) 市場予想 +0.1% 前月 -0.1%
1月 小売売上高(除く自動車・ガソリン、前月比) 市場予想 +0.3% 前月 ±0%

12日に1月の小売売上高が発表されます。同指標はGDPの算出にも使われる個人消費の伸びを示す非常に重要視されている指標です。
同指標の12月分は、全体の売上高が前月比マイナス0.1%、変動の大きい自動車とガソリンを除いた売上高も前月比横ばいと、低調な結果に終わりました。1月分で回復が見られるかが注目されます。

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マーケットビュー

◆原油価格動向やイエレン議長の議会証言を見極める展開に

先週のマーケットビューでは引き続き売られ過ぎを示す指標や、欧日の中央銀行の緩和的な政策を受け上昇するのではないかと記しましたが、実際には原油安や利上げペースの上昇懸念などを受け株価は下落しました。

引き続き原油価格の動向次第という面が大きく、株価の方向性を予想するのは難しい局面です。S&P500の予想PERは15倍台と、割高でも割安でもないといったところで、原油価格動向やイエレンFRB議長の議会証言の内容を見極めながらの展開となりそうです。当然株式市場にとっては原油価格の上昇とイエレン議長のハト派的な証言が望まれます。

益嶋裕
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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