(写真=PIXTA)
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「世界人材競争力指数(Global Talent Competitiveness Index)」の最新版が発表され、日本19位、韓国37位、中国51位であることが分かった。

上位10カ国を欧米勢が独占するなか、アジア圏から唯一ランクインしたシンガポール(2位)の特徴として、「他国からの人材やスキルの採用に非常に開放的である」という点が挙げられている。

この調査はフランスやシンガポールなどを拠点とするビジネススクール・経営大学院INSEAD(インシアード)、ヒューマンキャピタル・リーダーシップ研究所、人材総合サービス会社アデコグループが共同で2014年から毎年行っている。

国際的な視野から各国の人材育成や維持、職業能力などの能力を評価するもので、最新版では評価項目をメインカテゴリーとサブカテゴリーに細かく分類し、109カ国(昨年は93カ国)のパフォーマンスを分析している。

トップ20は欧米勢が上位を独占

1位 スイス
2位 シンガポール
3位 ルクセンブルク
4位 米国
5位 デンマーク
6位 スウェーデン
7位 英国
8位 ノルウェー
9位 カナダ
10位 フィンランド

11位 ニュージーランド
12位 オランダ
13位 豪州
14位 ドイツ
15位 オーストリア
16位 アイルランド
17位 アイスランド
18位 ベルギー
19位 日本
20位 チェコ

続いて、日本、韓国、中国の詳しい評価を見てみよう。

日本 19位 女性への労働環境整わず

6つのメインカテゴリー中、『イネーブル(可能にすること)』が4位と突出している日本。“ローカル市場における競争の激しさ(1位)”や“テクノロジーの利用(2位)”で高評価を受け、サブカテゴリーの「マーケット・ランドスケープ」では2位を獲得している。

また16位の『維持』からは「衛生(1位)」「年金制度(3位)」、26位の『成長』からは「人材育成」が2位に。

日本の最大の弱点である「成長するチャンスへのアクセス」は51位と評価が低く、“ソーシャルネットワーク(57位)”や“バーチャル・プロフェッショナル・ネットワーク(93位)”といった便利なツールの採用に遅れをとっている。“意見を主張する自由(53位)”も十分とはいえないようだ。

そのほか“女性の大卒採用(75位)”や“男女間の賃金の差(76位)”など、未だ女性にとっては理想的な労働環境を提供している職場が少なく、「内部のオープン性」が53位に。

韓国 37位 労使関係の改善が必要

日本同様『イネーブル』での高評価が目立つが、リサーチや開発への“内部支出(1位)”“ビジネスの容易さ(4位)”と「マーケット・ランドスケープ」で首位を獲得している反面、“雇用主の協力(102位)”“雇用のしやすさ(66位)”など「事業労働ランドスケープ」では76位とバラつきがあり、総合的には26位となっている。

こうしたアンバランス性は『成長(29位)』での「教育(13位)」面でも表れており、“第三次教育の進学率(2位)”や“読み、理数(3位)”“大学ランキング(10位)”ではトップレベルを誇っているにも関わらず、そのほかの“職業教育の進学率(62位)”“ 第3次教育の費用(76位)”といったサブカテゴリーでは一気にランクが下がる。

強みは“テクノロジー商品の輸出量の高さ(5位)”と “調査員の量質(7位)”が高評価を受けた『国際知識(16位)』だろう。

中国 51位 SNSの活用が今後のカギ

総体的に評価が低く “才能の影響(3位)”と“テクノロジー商品の輸出量の高さ(3位)”“スタートアップの活発性(11位)”で高ポイントを稼いだ26位の『国際知識』と、“企業内部の人材教育“ と“読み、理数”がともに首位に輝いた27位の『成長』がメインカテゴリー中最も優れている。

“学校教育(9位)”も上位にランクインしているが、日本以上に“ソーシャルネットワーク(99位)”や“バーチャル・プロフェッショナル・ネットワーク(102位)”の採用に遅れをとっており、「成長するチャンスへのアクセス」はメインカテゴリー中最も低い109位となっている。

71位の『維持』では“環境への配慮(91位)” “衛生(85位)”など「生活スタイル(71位)」の向上が求められているほか、“雇用につながるスキル(85位)”や “第2次教育を受けた労働者(84位)”の数が少ないことも『労働および職業スキル(73位)』の原因となっているようだ。(ZUU online 編集部)