中国政府が負債にあえぐ中南米の救済に本腰を入れると同時に、貿易関係の強化など急速に影響力を拡大しつつある。その裏にはブラジルの大西洋岸からペルーの太平洋岸までを結ぶ約5310キロの鉄道建設や、食糧品ルートと原材料の確保といった中国の思惑が動いているという見方がでている。

撤退傾向の米国に対し、中国は支援金を4倍に増加

米国の中南米への救援金は年々着実に減少傾向にあり、2012年の18億ドル(約2058億6600万円)に対して昨年は13億ドル(約1486億8100万円)と、終わりの見えない不況の影に米国政府が愛想をつかしつつある印象はぬぐえない。

しかし「捨てる神あれば拾う神あり」といわんばかりに、2012年で既に70億ドル(約8005億9000万円)を中南米に投じていた中国が、昨年の支援額を290億ドル(約3兆3167億円)に増加。

米CNNの報道によると、中国のこうした動きは中南米を鉄や原油などの原材料と食糧品の輸入ルートとして確保するほか、巨大鉄道の建設を含めた様々な事業を中南米で拡大し、中国人労働者を送り込むための種まきだという。

国外からの資金援助ナシでは存続の危うい中南米にとって、中国からの莫大な資金援助は必要不可欠なうえ、米国のように政治面に介入される懸念もないという点では「理想のパートナー」となり得る。

一方中国にとっては規制などの問題で暗礁に乗り上げ、変更やキャンセルを余技なくされたプロジェクトなども多々あり、スポンサーとしての立場に100%満足しているというわけではなさそうだ。

いずれにせよ今後中国による中南米での権力増長は強まると見られており、米国に代わる中南米の支配者として君臨する日が訪れるのかどうかの一点に注目が集まっている。(ZUU online 編集部)

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