米信用格付け会社ムーディーズは2月18日、景気減速が世界規模で長期化しつつある現状への懸念から、「経済成長の失速と市場の混乱が史上最悪の経済危機を引き起こしかねない」との警鐘を鳴らした。

中央銀行が同じ過ちを繰り返す負のスパイラル?

国際市場は昨年8月のコモディティ危機でゆるんだ足場の修正に苦戦し、ナスダック総合指数は11%、ダウジョーンズ工業株30種平均は6%、FTSE100種総合株価指数は8%の下落を見せている。なかでも記録的な大暴落で世界中を恐慌に陥れた上海の株価は、半年が経過した現在もごく一部が回復を見せている程度だ。

ムーディーズは「中国株のバブル崩壊が引き金となったコモディティ価格の総崩れが、新興市場を始めとする欧米や日本への市場にも、ネガティブな波紋を投げかけている」と、長引く見通しの悪さが投資家の買い渋りを引き起こし、結果的に経済状況をさらに悪化させる可能性を示唆。

すでにムーディーズやスタンダード・アンド・プアーズを含む国際信用格付け機関は、サウジアラビア、ブラジル、ロシア、南アフリカといったコモディティ産業国の見直し、格下げを昨年から今年にかけて実施している。

そのほかロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのクレジット・チーフ・オフィサー、アンドリュー・ロバーツ氏やソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、アルバート・エドワーズ氏なども、現在の市場が「2008年のリーマンショックを彷彿させる」とコメントしており、各国の中央銀行が「また同じ過ちを繰り返す」負のスパイラルに、国際経済がはまり込んだとの見解を明らかにした。(ZUU online 編集部)

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