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「貯金300万円」と聞くと、ある程度まとまったお金という印象を受けますが、「他の人と比べて多いのか少ないのか」「もっと貯金に回すお金を増やすべきか」など、いろいろと気になるところです。
そこで今回は、年代別の平均貯金額と、無理なく賢く貯める方法を解説します。
貯金300万円は大丈夫?年代別の平均を見よう
まずは総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年平均結果(2020年5月15日発表)」から、二人以上の世帯の貯金(定期性預貯金+通貨性預貯金)額を年代別に見てみましょう。
年代別の平均貯金額(定期性預貯金+通貨性預貯金)
年代 | 貯蓄 |
---|---|
30代未満 | 234万円 |
30代 | 513万円 |
40代 | 681万円 |
50代 | 1,016 万円 |
60代 | 1,464 万円 |
70代以上 | 1,542 万円 |
(出典:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年平均結果」より)
このデータを見る限30代以上の世代はいずれも平均300万円以上の貯金があります。一般的に子どもが経済的に独立する50代から退職金が入る60代にわたり、貯金額が大幅に増加し、1,000万円を上回ります。特に50代以降は老後資金が現実味を帯びてくる年代だけに、後から慌てないよう計画的に蓄えを増やすことが大切です。
ただし、これらの数字は統計上の平均値であり、あくまで参照程度に考えたほうがよいでしょう。例えば、金融広報中央委員会の「家計と金融行動に関する世論調査2019年」では、全体で5.6%の世帯が「貯金を含む資産をまったく保有していない」と答えていることから、たくさん貯金している人とそうでない人の差が大きい可能性が考えられます。
また、平均値に届いている、あるいは上回っているからといって、将来の経済的安定を保証するものではありません。「貯金はしているが、毎月赤字が続く」という人は、負担が大きくなり過ぎる前に、家計の見直しが必要です。
平均値より少ない、あるいはまったく貯金をしていない人も、今日からしっかりとお金を管理し、計画的に貯金する習慣を付けることで、貯金額を増やせるでしょう。重要なのは、無理のない範囲で継続することです。
賢く貯める方法は?
「備えあれば憂いなし」ということわざがありますが、お金が必要なときに慌てないように、以下の方法でコツコツと貯金する習慣を付けましょう。
アプリなどを活用して、お金の流れを明確にする
賢い貯金の第一歩は、「毎月お金がいくら入ってきて、いくら使っているのか?」を把握することです。収支状況を見直すことで、自分でも気が付いていなかった無駄な出費や、節約ポイントが見つかるでしょう。
近年は、便利な家計簿アプリがたくさんあり、クレジットカードや銀行口座と連携させると自動的に収支を管理してくれるものや、レシートを読み込むだけで記録してくれるものなど、種類も豊富です。生活スタイルに合ったアプリを利用して、上手にお金を管理しましょう。
先取り貯金を活用する
お金の流れを把握すると、毎月貯金に回せる金額も大まかに見えてくるはずです。「残った分を貯金に回す」という考え方では、なかなかお金が貯まりません。給与を受け取ったら、最初に貯金する分のお金を差し引き、残りのお金を生活費などに充てるようにしましょう。
生活費と貯蓄の口座を分ける
給与の受取りや生活費など日常的な出費は普通預金口座を利用し、貯金は貯金専用口座で管理することで、お金の管理にメリハリがつきます。
貯金専用口座には、定期預金や積立預金などがあり、貯金の目標に合わせて利用するのがポイントです。銀行により金利や条件も異なるため、比較してお得なものを選びましょう。
固定費を見直して、貯金に回す
「一生懸命に節約しているつもりでも、貯金に回すお金がない」、あるいは「もっと貯金に回したい」という人は、支出の大半を占める固定費を見直してみましょう。固定費とは住宅費や光熱費、通信費、交通費、保険料、車の維持費、各種ローンなど、毎月支払う一定の費用を指します。
住宅ローンをより金利の安いものに乗り換える、契約更新のタイミングで家賃の値下げを交渉してみる、光熱費や通信費、保険料などを各社比較して、より安いものに切り替えるなど、見直すポイントはたくさんあります。
例えば、スマートフォンを月1万円のプランから5,000円のプランに切り替えるだけでも、1年間で6万円、5年間で30万円の節約になります。
収入が増えても生活のレベルを変えない
昇給や臨時収入などを手にすると、「増えた分だけ贅沢な暮らしをしても大丈夫」という誘惑に負けてしまうこともあります。
しかし、一度でも生活水準を上げてそれに慣れてしまうと、下げることが非常に難しくなります。「生活水準を上げるのは、将来の貯蓄目標を達成したときの楽しみ」と考えて、増えた分は貯金に回しましょう。
「ちりも積もれば山となる」ということわざは、貯金にも該当します。できることから少しずつ実践し、今日から貯金体質を目指しましょう。繰り返しになりますが、無理のない範囲で長く継続することが、貯金に成功するポイントです。
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