投資の基本は積立投資って何 ?
「資産運用」と一口で言っても、初心者は何から始めればいいのかわからないものだろう。日本では学校教育で投資の基本を学ぶカリキュラムなどはないため、雑誌や本などで学ぶぐらいしか方法がない。そのため、金融機関の窓口で商品を勧められた場合、深く考えずに投資をしてしまうことも多いのではないだろうか。
何も考えずに投資を始めてしまうと当然失敗することも多くなる。資産運用から時を置かずに損を出してしまうことも珍しくない。その結果、いつの間にか「投資嫌い」になってしまい、金利のほとんどつかない預貯金だけで運用したり、現金のまま金庫に保管している、という人はいないだろうか。日本銀行調査統計局 (2015年12月22日) 発表の「資金循環の日米欧比較」を見ると、日本の家計金融資産は約5割がリスクを取らない「現金・預金」になっており、この割合の高さは世界的に見て異様だともいわれている。
もっとも、これまではデフレ (モノの価値が下がること) が続いていたため、現金の価値は相対的に上昇していた。結果的には、特に何も運用していなかった人も資産を増やすことができていた、ともいえるのである。ところが、2016年1月に日本銀行が導入を決定したマイナス金利によって、このような状況は一変する。マイナス金利によりインフレ (モノの価値が上がること) が起き、現金の価値が相対的に下落する可能性が高まっているのだ。
そこで、頭に入れておきたいのが資産運用の基礎知識だ。資産運用は大きく分けて2つに分類される。一つは、「増やす」運用、もう一つは「減らさない」運用である。最初からまとまった資金を持っているという人は少数派と思われるため、まずはまとまった資産を作るための「増やす」運用について説明する。
その上で、投資初心者に特におすすめしたいのが「積立投資」である。積立投資は長期間続けるほど大きな投資効果が期待できるため、老後のための資金などを積み立てるのに向いている投資手法だ。ゆとりある老後のために40代から資産運用をスタートさせたい、という人などには理想的な投資手法といえる。
積立投資のメリット、デメリットとは ?
ではなぜ積立投資がおすすめなのか。まずはそのメリットについて考えてみよう。積立投資のメリットは、大きく次の3つが挙げられる。
1. 買い付け価格を平均して低い価額で投資できる
投資を始めるときに誰もが悩むこと、それは「タイミング」である。「高い時にまとめて買ってしまった」「安くなるのを待っていたら買いそびれてしまった」などはよく聞く話だ。そんなとき、積立投資の一つめのメリットが登場する。相場環境にかかわらず定期的に一定金額を投資することにより、値段や価額の高いときには少ない数量を、低いときには多くの数量を買い付けるので、結果的に平均単価を低く抑えることができるのである。この考え方は「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、初心者からプロまで多くの投資家に評価されている投資の手法である。「ドル・コスト平均法」なら投資のタイミングに悩むことなく、投資をすることができるのである。
2. ワンコインから投資できる
少額から投資できるのも、積立投資の大きなメリットである。「投資にはたくさんの資金が必要」「投資は資産家がやるもの」と思っている人も多いのではないだろうか。ところが最近では、500円や1,000円から投資を始めることができる商品・サービスを提供する金融機関が出てきている。月々のお小遣いから投資をスタートすることができるのである。
3. とにかく楽 (ラク) である
自動的に投資できることが積立投資の三つめのメリットだ。「A投資信託を毎月1日に◯円購入する」などのルールを一度設定すれば、面倒な手間がかからずに継続して投資することができ、うっかり買い忘れる、といったことも防げるのである。また、金融機関によっては銀行口座からの引き落としや、クレジットカードから自動で決済するサービスなども用意されており、とにかく楽 (ラク) に投資することができてしまう。
メリットがあれば当然デメリットもある。この点をきちんと把握し、可能な限りデメリットを抑えられる運用環境づくりが必要だ。積立投資のデメリットは大きく次の2つになる。
1. 相場や値動きによっては不利になる場合も
メリットの1番最初にあげた「ドル・コスト平均法」であるが、相場や市場環境によってはデメリットになる場合もある。それは、相場や市場が上昇し続けた時である。定期的に投資するため、高い値段や価額になったときにも買い付けをすることになり、平均買い付け単価が一括で投資した場合に比べて高くなる場合がある。
2. 元本割れの可能性
これは積立投資に限った話ではないが、投資である以上、様々な要因により投資した商品の価格は変動する。場合によっては、資金が必要となったときに相場や市場が下がっていたために、結果として投資した元本を割れてしまった、という可能性も否定はできないのである。
まとめ
価格変動のリスクはどんな金融商品にもつきものである。そして、バブル期のような右肩上がりの相場や市場を想定することには無理があるだろう。リスクを積立投資のメリットでどの程度減らすことができるのか、という考えを持ったうえで投資に望むことが何より重要なことなのである。
(提供:
大和ネクスト銀行
)
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