それではこの2つのGDPについて詳しく見ていこう。名目GDPは物価変動の影響を受けることから、物価変動の影響を取り除いた状況を確認したい場合には実質GDPを用いることになる。例えば、経済成長率を見たい時には、消費がどのぐらい増えているのかなどを確認することになるため、実質GDPで評価することになる。つまり、名目は金額ベースでの評価、実質は数量ベースによる評価となる。パン屋の事例でわかるように、売り上げた数量が増えれば実質GDPも増加することになる。

経済が実際にどのくらい成長したかが判断するために、名目GDPを実質GDPに評価しなおす「GDPデフレーター」と呼ばれる指標がある。数式で表すと「名目GDP÷実質GDP=GDPデフレーター」となる。

例えば、上記のパン屋の事例でいえば、名目GDPは264万円であり、実質GDPは240万円であった。ここからGDPデフレーターは「264万円÷240万円=1.1」と計算できる。これは物価上昇もしくは物価下落がどの程度発生したかを示している。このGDPデフレーターが1以上となっていれば、基準年と比べて物価が上昇 (インフレ) していることを示す。一方、1未満となっていれば、物価が下落 (デフレ) していることを意味する。
こうした関係は、下記のようにも捉えることができる。式を別の見方で捉えれば、

名目GDP÷GDPデフレーター=実質GDP

と変えることができる。もし物価上昇 (インフレ) となれば、名目GDP>実質GDPとなることがおわかりになるであろう。また、物価下落 (デフレ) となれば、名目GDP<実質GDPとなる。

GDPを見る際には、単純な数値の増減を見るだけでなく、物価や数量に分けて考えることで、これまでとは違ったGDPの見方ができるようになるかもしれない。(提供: 大和ネクスト銀行

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