新型コロナウイルスは、私たちの生活や社会に大きな変化をもたらした。外食産業や観光業が大打撃を受けたこと、中小企業の倒産件数が増えたことなど、マイナスの影響が大きく報じられているが、中には業績が伸びている業界もある。今後投資先を探すなら、ウィズコロナ時代に伸びていく業界にも注目したい。

コロナ以前から現在における市場の変化

ウィズコロナ時代の資産運用 予想される社会変化は?
(画像=cassis / stock.adobe.com)

緊急事態宣言も解除され、新型コロナウイルスの脅威は一時的に去ったように見える。しかし、ワクチンが開発されていない以上、第2波、第3波がくる可能性がある。ワクチンの開発を待つ間、私たちはコロナウイルスと共存する「ウィズコロナ」というあり方を模索していかなければならない。

ウィズコロナ時代に投資先を探すうえでキーワードとなるのが、「非接触」「非対面」だ。また、外出せずに自宅で過ごすライフスタイル「巣ごもり」が増えることで、どのような商品・サービスが人気を博すのかにも注目したい。

ウィズコロナ時代は数年続くともいわれている。ウィズコロナ時代の社会変化をいち早く読み解き、先手を打って投資することで、ピンチをチャンスに変えられるはずだ。

コロナショックにより影響を受けている業界

新型コロナウイルスが世界経済に大打撃を与えたことを、コロナショックと呼ぶ。コロナショックで大きな影響を受けた業界の一つとして、観光産業が挙げられる。

ここ数年、インバウンド (訪日外国人数) はうなぎのぼりに増加していた。2009年のインバウンドは約679万人だったのに対し、2019年のインバウンドは約3,188万人。10年で約4,7倍に増加している。しかし、今後インバウンドは急激に減少するだろう。

東京オリンピックの延期も決定しており、航空・鉄道・ホテル・旅行業界などは、業績の落ち込みが長期化すると見込まれている。関連して、自動車やエネルギー業界なども同様に影響を受ける可能性がある。

外食産業も依然として厳しい状況が続いているが、テイクアウトやデリバリーに注力することで、復活の道を探っている。コロナショックを受け、大規模な不採算店舗の閉店を実施した企業は多い。新サービスの提供開始とコストカットによって、持ち直す企業も出てくるだろう。

ウィズコロナ時代に伸びていく業界

一方、ネット通販事業を手掛けるAmazonは業績が大きく伸びたことを受け、約17万人の大量採用を進めている。ウィズコロナ時代の「非接触」「非対面」というキーワードを体現するオンラインショッピングは、今後も勢いを増していくだろう。

自社の商品・サービスをオンラインショップで販売するEC (electronic commerce) 業界も、成長が期待できる分野だ。メーカーと生活者をつなぐ「EC Force」というシステムを提供するSUPER STUDIOは、サイト構築数が250を超えたと発表。今後、卸・小売を通さない販売形態も増加しそうだ。

また、対面販売が中心だった商品・サービスについて、ECサイトでの販売を開始する企業が増えている。例えば、実店舗での販売がメインだったアウトドアブランドのWhole Earth (ホールアース) はECサイトをオープンし、洗って使える抗菌フェイスガードを販売している。

他にも、ウィズコロナ時代において、オンライン医療がますます盛んになると見込まれている。オンライン医療にかかわるサービスを開発・販売する企業には要注目だ。

総じてIT業界は、ウィズコロナ時代にも強いといわれている。新たな発想で既存の枠組みにとらわれないサービスを開発できれば、その企業は大化けするだろう。5Gがスタートしたことで、通信業界からも目が離せない。あわせて、半導体や電子部品業界も伸長する可能性がある。

コロナによる影響を鑑みた上で資産運用をしよう

新型コロナウイルスは、多かれ少なかれ、すべての業界に影響を与えている。激しい向かい風にさらされている業界もあれば、追い風で勢いに乗っている業界もあるだろう。大切なのは、今起きている変化に目を向け、将来の変化を予測することだ。

苦境にある業界においても、発想の転換によって、新たなサービスが登場しないとも限らない。ウィズコロナ時代の社会の変化に注目し、業界動向を見据えながら、投資先を選ぶことが大切だ。

(提供:大和ネクスト銀行


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