コロナショックで株式市場が大きく値下がり、投資家の間では動揺が広がった一方、投資を始めるチャンスと考えた人も少なくないだろう。実際に証券会社では、新規の口座開設が急増していると伝えられている。

しかし、いざ株を購入しようとすると、まとまった資金がなければ投資できないことが判明して、失望した投資家もいるかもしれない。その失望を希望に変えるべく、従来の株式投資に加え、1株からでも投資できるようなサービスが開始され、少額からでも株式投資できる環境が整ってきた。

ファストリ、任天堂、キーエンス、オリエンタルランドは高嶺の花 ?

最低投資金額が高い株への投資は「1株」から初めてみては?
(画像=naka / stock.adobe.com)

株価上昇よるキャピタルゲインに加え、株主優待や配当金のインカムゲインが魅力の株式投資だが、通常の株式取引では売買される株式の単位 (単元株数) が定められており、2018年10月から100株を1つの単元株数として上場企業の間で統一されている。

つまり、株式投資を実施するには100株をまとめて購入する必要があり、主要企業の2020年7月19日の株価で計算するとファーストリテイリング (約595万円) 、任天堂 (約476万円) 、キーエンス (約440万円) 、オリエンタルランド (約140万円) などとなっている。これらの銘柄は、優良企業として投資家の間でも人気だが、最低投資金額が高くて高嶺の花でもある。

まとまった資金のない投資家は、せっかく株式投資に興味を持っても諦めてしまうかもしれない。しかし、高嶺の花の企業の株式にも投資できる別の方法が存在する。それが1株から購入できる「単元未満株投資」だ。

1株投資のメリット・デメリット

1株から株式投資がスタートできれば、当然ながらまとまった投資資金を準備しなくても、数百円から数万円単位の少額からの気軽な投資が実現する。また、まとまった投資資金があるならば分散投資も可能だ。

例えば、150万円の投資資金で単元株数に基づき取引をすると、オリエンタルランドの株100株のみ購入できるが、単元未満株投資で取引すれば、同じ150万円でも複数の企業の株を購入することができ、分散投資の効果も得られる。

株式投資の魅力でもある株主優待は、100株以上の保有を条件としているケースが多いため、その基準に満たない場合は対象外となるが、配当金に関しては1株の投資からでも受け取ることが可能である。

少額からの株式投資を実現した単元未満株投資だが、すべての企業の株が対象になっているわけではないし、会社によって取扱銘柄も異なってくる。しかし、前述の高嶺の花の企業以外にも主要企業の株は幅広く取り扱われており、1株数百円から投資できる銘柄も含まれている。

株の購入によってその企業の株主となるが、株主総会への参加は、一般的に単元株数の保有が条件となっているため、1株だけの投資ではその条件は満たされない。また、コストに関しては、一例として株価に0.5%ほどの差額が上乗せされるなど、単元株数での株式取引より若干割高となる。しかし、この手数料は少額で投資ができる権利に対する支払いと考えれば、それほどの負担感は生まれないだろう。また条件付きではあるが、様々な会社で手数料を下げるキャンペーンやクーポンの発行も行っているので、より負担を減らしたい方にはおすすめだ。

1株投資はどんな人に向いている ?

1株投資は、割安な相場をチャンスと感じているが、なかなか一歩を踏み出せない投資未経験者には適した投資方法となり得る。

ボーナスや退職金などまとまった資金がある人が、投資経験が無いにもかかわらず、勢いよく1つの企業の株を単元数で購入すると、相場が意図したように上がらないケースや、大きな損失を抱える可能性もあり、その場合の心理的ショックは計り知れないだろう。リスクを適切に管理するためにも、まずは1株投資で複数の企業にバランスよく分散投資されたポートフォリオの形成を目指したいところだ。

さらに、NISA口座で単元未満株投資ができるサービスを提供している証券会社もあり、節税のメリットも併せて享受できるので、一度検討してみてはどうだろう。

(提供:大和ネクスト銀行


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