投資に関するニュースやレポートには、よく「コモディティ」という用語が登場する。コモディティはさまざまな投資の判断材料になるものであり、世界経済を読み解く際にも役立つ。

本記事では、コモディティの概要や株式投資との関係性をわかりやすくまとめている。投資の視野を広げることにもつながるので、特に株式投資を行っている方はぜひ参考にしてほしい。

コモディティって何 ?

コモディティって何だろう ? 株式投資における視野を広げよう
(画像=MQ-Illustrations / stock.adobe.com)

コモディティ (commodity) とは、商品先物市場を通して取引できる金融商品のことである。具体的には貴金属やエネルギー、農産物などがあり、これらは「コモディティ」や「商品」と呼ばれている。

コモディティはインフレに強いため、自然災害や紛争といった有事の際は多くの投資家から注目される。近年は2019年末から感染が拡大した新型コロナウイルスの影響で、さまざまなコモディティの注目度が高まった。

コモディティに着目する意味は ? 株式投資との関係性

コモディティは単体でも投資対象になるが、株式投資とも深い関係がある。なぜ、コモディティに着目する必要があるのか。ここからは、株式投資との関係性について解説する。

●上昇する銘柄を推測しやすくなる

株式の中には、コモディティとの関連が強い「コモディティ関連株」と呼ばれるものがある。一例をあげると大麦や小麦などを使ってビールを製造している『アサヒホールディングス (5857) 』はコモディティ関連株だ。

コモディティ関連株は、事業と関連するコモディティの影響を受けやすいといえる。例えば世界的に穀物価格が下がると、麦や米、とうもろこしなどの仕入コストが下がるので、飲食業界やビール業界などは潤うだろう。

一般的に、コモディティと株式は変動要因が異なる。コモディティと連動しない銘柄も多くあるため、コモディティと株式はリスクヘッジ (分散投資) の手段としても用いられる。

●今どのセクターが強いのか、なぜ強いのかを理解できる

セクターとは、簡単にいえばコモディティのジャンルのことだ。コモディティは複数のセクターに分けられており、各セクターにはさまざまな商品がある。

セクター具体例
貴金属 (産業用メタル)金、銀、プラチナ、銅、アルミニウム など
エネルギー天然ガス、原油、ガソリン、灯油 など
農産物 (畜産物)大豆、小麦、米、とうもろこし、ゴム など

セクターに関する知識を身に付けた上で経済ニュースを見ると、「今どのセクターが強いのか」「どのような理由で強いのか」を見極めやすくなる。それにより上昇する銘柄を推測しやすくなるため、利益を得やすい銘柄をいち早く見つけることにつながる。

コモディティ全体もしくは部分的に投資する方法

コモディティは単体だけでなく、セクターやコモディティ全体に投資することも可能だ。ここでは、2つの金融商品を紹介しよう。

●コモディティ関連の商品ファンド

商品ファンドとは、投資家から集めた資金を特定の商品で運用するタイプの投資信託を指す。商品ファンドには、貴金属価格やエネルギー価格との連動を目指す銘柄などがある。

いずれもインフレに強いことが特徴だが、特定のセクターに偏った銘柄を選ぶと分散投資の効果が下がることがある。銘柄によって対象となるセクターは大きく異なるので、その点にも注意しながら投資先を選ぶのが賢明だ。

●コモディティを対象としたETF

最近は、コモディティ全体を対象にしたETF (上場投資信託) も見られるようになった。このような金融商品を選べば、一度にさまざまなコモディティに投資できるため、株式投資のリスクヘッジやインフレ対策になる。

ただし、銘柄によっては経費率が高かったり、特定のセクターに偏っていたりすることがあるため、注意が必要だ。また、コモディティは外貨建てで取引が行われるため、為替変動リスクにも注意しなければならない。

コモディティにも特有のリスクがあるので、株式など他の金融商品と組み合わせながらリスクヘッジを行うことを心がけよう。

コモディティを理解すると投資の幅が広がる

コモディティについて理解すると、これまでとは違った視点で株式投資を行えるようになる。コモディティ関連株に目が向くだけではなく、経済分析の精度も上がるため、より多くの利益を獲得しやすくなるだろう。

最近はコモディティ関連の商品ファンドやETFも増えているので、投資対象としてのコモディティにも注目するとよいかもしれない。

(提供:大和ネクスト銀行


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