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不動産のプロが語るお宝物件

理想の土地探しを成功させる3つのポイント

不動産,中古物件
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「世の中に一つとして同じ不動産はない」と言われます。仮に、同じマンションの隣同士の部屋で、間取りも一緒であったとしても、窓から見える景色には違いがあり、さらに隣や上下階に住む人も違うため、生活音がどのくらい聞こえてくるかといった違いも出てきます。

部屋でもこれだけ違いがでるのですから、土地に関してはその違いは顕著です。例えば同じ道路に面している隣同士の土地であっても、土地の面積が同じとは限りませんよね。

土地探しをする際によく聞く「この辺は坪○○万円」という表現があります。1坪あたりの価格は「坪単価」という単位で表されますが、土地の価格を比較する際、この坪単価を見ることが多くなります。1坪は約3.31㎡、およそ畳2枚分の広さですが、この広さに対する単価が「この辺は坪○○万円」と提示されたとして、その周辺の土地がすべて同じ坪単価でいつでも誰でも買えるのでしょうか?

答えはNOです。そこには、土地ごとに異なる所有者の思惑も絡んできます。しかし、その価格の妥当性をまったく知らない状態では交渉の余地もありません。今回は、土地探しをするにあたり机上でもできる土地価格の計算方法について解説していきましょう。

理想の土地を見極めるための3つのポイント

駐車場として貸す場合などを除けば、通常は土地の上には建物を建てることになります。したがって、その土地に何を建築したいのかによって「利便性」「環境」「建物の利用用途」という3つのポイントから価格の妥当性を見極める必要があります。

まず「利便性」とは、駅からの距離や都市部へのアクセス、買い物や学校などへのアクセスの良し悪しといったポイントです。「環境」とは、マイホームを建てるなら住環境の良さ、賃貸住宅等、あるいは商業ビルを建てる場合なら利便性のような要素など、建築物の目的によって求める環境が違ってくるということです。

最後の「建物の利用用途」については、自分が住むための家か、貸すことで収益を得るためのものなのか、またそれに伴い高い建物にする必要があるのか、あるいは低層で十分なのか、というポイントなどが挙げられます。

土地には、都市部においては都市計画により「用途地域」が定められています。主に低層住宅の建築を目的とした「第1種低層住居専用地域」から「工業地域」や「商業地域」など12種類が定められています。詳しくは居住地の市区町村で確認できますので、土地購入を考えている人は見ておきましょう。

土地は需要と供給

土地はその目的によって、さまざまな要素から検討すべきものであることはお分かりいただけたでしょうか。では次に、同じような場所で複数の土地が売りに出されている場合、価格の違いをどのように判断すればいいのかについて考えてみましょう。

まず基本中の基本として、「土地の価格は需要と供給で決まる」ということを知っておきましょう。つまり、欲しいという人がいなければ価格は付かないということです。

具体的には、「大きすぎる土地」と「手ごろなサイズ」の土地を比較することになります。土地の購入者の予算には当然上限があります。いくら希望に沿った条件でも、大きすぎる土地では手が出るものではありません。仮に東京23区で100坪を超えるような土地があったとして、それを簡単に買える人というのは限られてくるはずです。しかし、30坪ならばどうでしょう? 予算的にも検討できそうな人が増えてくるはずです。

例えば、マグロ1本そのまま買うのは一般家庭では多すぎますが、切り身になっていれば買いやすくなりますね。ただし単価で比べると、切り身の方が割高にはなります。

つまり、需要のあるサイズの土地は坪単価が高くなり、大きい土地は坪単価が安くなるということは珍しくないのです。冒頭の「この辺は坪○○万円」という表現も、その土地の大きさなどが違えば比較することは難しいということになります。

また、土地の大きさのほかにもう一つ、土地の接する道路の幅も重要です。車社会の日本では、車の通れないような狭い道より、車の通行に支障がない広めの道の方が、土地の価格面で高い評価を受ける傾向があります。

「路線価」から土地相場を知ろう

個別の要因が大きく影響する土地の価格形成ですが、その基本となる土地価格は行政などから毎年公表されています。その情報を活用することで、おおよその周辺土地価格を知ることができます。

公表される土地価格は、同じ場所であっても「公示地価」「路線価」「固定資産税評価額」と異なるものが存在します。

公示地価を100とすると、路線価は80、固定資産税評価額は70の割合で価格が定められています。そして、通常の売買等で取引される「実勢価格」とは、公示地価を10%上乗せした程度の価格になるのが一般的です。

公示地価から実勢価格を割り出すには、「公示地価×110%」で計算します。路線価から実勢価格を割り出すには、「路線価÷80%×110%」で計算します。

公示地価は国土交通省、路線価は国税庁、固定資産税評価額は各市町村で公表されていますが、土地の相場を知る上で参考とするのは路線価です。公示地価は代表的な土地にしか付けられていませんが、路線価はほとんどの土地を網羅しているためです。

各地の税務署や国税庁ホームページでその土地の路線価を閲覧してみましょう。道路に「300C」などの数字が書かれていますが、これは、その道路に面した土地の1平方メートル当たりの路線価が30万円であることを意味しています(路線価の詳しい見方については、国税庁ホームページに解説があります)。

そして、「路線価÷80%×110%」で1平方メートル当たりの実勢価格を割り出します。この数値に土地面積を掛けると、その土地の実勢価格が得られます。

「土地総合情報システム」を活用する

日本ではこれまで不動産の価格がいくらで取引されたかという情報は公開されておらず、取引について不透明な部分が存在していました。しかし、国はこうした業界慣習を改め、透明性の高い市場へ変えて行こうと考えています。

その一つに、国土交通省が公開している「土地総合情報システム(http://www.land.mlit.go.jp/webland/)」が挙げられます。ここでは過去数年間における土地や戸建、中古マンションの取引価格データが公開されています。駅からの距離や土地の形状、前面道路の広さや都市計画における用途地域なども記載されており、相場を知る上では大いに参考になるものです。これら公開されている情報を活用することでも、あなたの探している周辺の土地相場や、現在住むエリアの土地相場も知ることができるでしょう。

ただし、繰り返しになりますが土地は需要と供給のバランスがある上で価格が決まります。いくら理にかなったものであっても、必ずしもその価格で手に入れることができるわけではありません。実際に、不動産を扱う側からしても、なかなか売り物件が出ないエリアというものはあります。タイミングもあると思われますが、住環境がいいところほどその場所から離れる人が少ない傾向があります。そのようなエリアで土地を探す場合には、紹介されている坪単価よりも高く取引されることもあるということは頭に入れておきましょう。

坪単価はあくまで目安として、それにとらわれることなく、その土地の価値を自分の目的と照らし合わせた上で判断していただければと思います。

高橋 正典(たかはし・まさのり)
不動産コンサルタント。株式会社バイヤーズスタイル代表取締役。2000件以上の不動産売買に携わるなど、現場を最もよく知る不動産コンサルタント。NPO法人住宅再生推進機構専務理事、一般社団法人相続支援士協会理事。著書に「プロだけが知っている!中古住宅の選び方・買い方」朝日新聞出版、「不動産広告を読め」東洋経済新報社他

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