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(写真=PIXTA)

LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の就転職活動支援に特化したクチコミサイト「JobRainbow」が3月にスタートした。昨今、性別の障壁を感じることなく仕事を探し、働ける企業が増えていくことを目指し、LGBTの就転職支援をするサービスが広がりを見せている。

就転職活動の際にカミングアウトするか、しないかの悩みは今でも尽きない。日本の全就業人口が6300万人強と考えると、そのうちLGBTの就業人口は480万人を超えると言われている。おおよそ7.6%の割合だ。

対応する顧客がLGBTの場合もある

JobRainbowはLGBTに理解のある企業の取り組みや体制を紹介し、それらの企業の求人情報を提供するサイトだ。クチコミの投稿には、面接時の採用選考について、社内の雰囲気、働きやすさ、実際の就業時の中での体験談などが掲載されている。サイト内で求人検索をすれば企業評価を見ることもでき、LGBTフレンドリー企業を即座に絞り込むことができる。

サイト名と同じ運営会社(星賢人社長)は企業の人事や管理職向けに、LGBTに対しての研修方法、就業規則の改定、福利厚生の整備などのコンサルティングも行っている。法律や制度の中に実態が反映されていない日本では、受け入れる企業側にとまどいが多いのも事実だ。対処法や職場の環境づくりの面でも心強い助けになるだろう。

このほかにもNPO法人「Rebit」(藥師実芳代表)は、既に職場や周囲にLGBTであることをカミングアウトし、一人の大人として自分らしくイキイキと働いているロールモデルを紹介している。学生や若者にとって、実際に活躍できている人たちの事例を知ることができれば、きっと心強いはずだ。10代~20代へのキャリアセミナーも全国展開で行っている。

また同団体は、LGBTでない人たち、企業や自立就労支援者に対しても接し方などの情報提供などを目的に、研修の機会も設けている。これは実際にLGBT就労者によって説明されるセミナーで、LGBT目線のアドバイスを聞くことのできる場だ。企業や職場内だけでなく、接客時や取引先などお客様がLGBTだった場合の対応法などもテーマとして取り上げられているようだ。誰もが自分らしく働ける、誰もが自然に対応できる社会環境づくりへの貢献を目指し、「LGBT就活」というサイトを立ち上げ支援を広げている。

「レインボーワーカープロジェクト」(大島慎司代表)は、拠点である大阪、神戸、京都など関西を中心に、LGBTとして就転職に悩みを抱えている人を対象とした就職フェアや、相談イベントなどを積極的に行っている。都内にもその領域を広げている。

相談時には、家族や友人・パートナーと同席参加も可能で専任のカウンセラーが対応をしている。理解のあるジェンダーフリー(性別・年齢・国籍に関わらず、働く人の個性を尊重する)企業を増やすこと、皆が性別を気にすることなく就職や転職をし、働ける支援をすることを目的としている。マッチング支援も行っている。TVなどでも同プロジェクトの説明会や相談会の活動の話題は取り上げられており、世間の理解にもつながっているだろう。

このほかにも、人材紹介業ネオキャリアの子会社ワイルドカードも、理解のある企業とLGBTの求職者をマッチングするサービスを行っている。LGBTのコミュニティサイト「2CHOPO」の利用者を中心に、求職者は登録すれば無料で支援が受けられる。

職場でも多様性が求められる時代になっている。しかし、LGBTを取り巻く職場環境は決してよいものとはいえない。長い目でみれば、LGBTの人たちと共に働くことも、ごく当たり前になるはず。しかしそうした環境になるまでにはまだ時間がかかるだろう。今回紹介したような先駆的な取り組みが、多様性に満ちた社会の到来を早めることになるのだ。(ZUU online編集部)

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