香港で新たなモバイルバンクNeatが誕生した。AI(人工知能)や位置情報技術、利用動向ツールなど最新技術を一挙に盛り込み、ミレニアル世代を狙っている。

支店などの物理的経費が一切不要なため、従来の銀行と比較してサービス・コストが16分の1に抑えられているという点も魅力的だ。

「FacebookやGoogleが考えたようなソリューション」

設立したのはシティバンク、ソロモン・ブラザーズなどで、新興市場専門のビジネス戦略を手掛けた大ベテラン、デビッド・ローザCEO。前身となったAIスタートアップ、Variablyに、決済のTofu Payを統合させるという形で実現した。

現在は英スタンダード・チャータードと中バイドゥの提携によるFinTechベンチャー・プログラム「Super Charger」を通して、今年第2四半期のサービス開始に向けて試運転中だ。

ローザCEOはNeatを「FacebookやGoogleがバンキング・ソリューションを手掛けたら、Neatのようなアプリになるだろう」と形容。その言葉通り、バイオミック(生態認証)システムから各ユーザのニーズに合わせたカスタマイズ・システムまで、通常の銀行アプリとは一線を画した特徴をウリにしている。

通常の銀行やアプリから専用カードに入金。アプリとの併用でバンキングを行うという点では、英発のMondoと共通する。Mondoはテスト運転開始から4カ月あまりで、1億5000ポンド(約241億375万円)の取引を記録した期待の星だ。

ミレニアムル世代が銀行やカードを利用した決済法よりも、スマートフォンなどのデバイスを好む傾向が強いことは、多数の調査結果から明らかになっている。MondoやNeatはこうした次世代の需要をいち早くつかみ、新たなバンキング・システムを築きあげようとしている。

サードパーティーを通したモバイル決済総額が、昨年は19兆5400億香港ドル(約281兆8356億円)に達した香港で、Neatへの需要が爆発するのは時間の問題だろう。( FinTech online編集部

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