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ハゲが治る!? 「iPS細胞」で髪がふさふさに

iPS,再生医療,育毛
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「ハゲが治る!」そんな夢のような話がいよいよ現実味を帯びてきた。4月2日、国立研究開発法人・理化学研究所(理研)と創薬ベンチャーのオーガンテクノロジーズ、北里大学はマウスの「iPS細胞」から毛包や皮脂腺などの皮膚付属器を持つ「皮膚器官系」を再生する技術を開発したと発表した。同研究では、再生した皮膚は通常の皮膚と同様に汗をかいたり毛を生やすなどしており、研究結果は、4月1日付の米科学誌『Sience Advancesk』にも掲載された。

一般に「ハゲ」と呼ばれる薄毛・抜け毛の原因は、遺伝性や加齢が原因となるほか、病気や投薬の影響、やけど、外傷、ストレスなど様々である。だが、皮膚は毛根や皮脂腺、汗腺など複数の器官が複雑に配置されており、従来は皮膚の完全な再生は困難とされていた。今回の研究では再生した毛包をヌードマウス(毛がないマウス)に移植した結果、再生した毛が皮膚表面から生え、天然毛と同様に成長したとしている。研究グループでは、将来、皮膚の完全な再生を可能にするとともに、深刻な脱毛症など多様な皮膚疾患の再生治癒につながることが期待できるとしている。つまり、これが実用化されると「ハゲのない」社会が到来するのだ。

「iPS細胞」とはどのようなものか?

そもそも「iPS細胞」とはどのようなものなのだろうか。「iPS」とは「induced pluripotent stem cell」の略称で、2006年に世界で初めて京都大学の山中伸弥教授が作製に成功した人工の「多能性幹細胞」のことである。

「多能性幹細胞」は、臓器や筋肉、皮膚、毛髪など人間の体を形作るもとになる細胞のことで、いわば様々な体組織のもとになるものだ。通常の多能性幹細胞はいったん人間の皮膚など体組織の一部となると、その後はほかの体組織に変化できないという特性がある。ところが、「iPS細胞」ではある体細胞に特定の遺伝子を導入・培養することで、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を与えることが可能となった。つまり、組織や臓器の細胞に分化すると同時に、ほぼ無限に増殖する能力を持つことが可能となったわけだ。神経細胞に育つ遺伝子を与えれば、神経細胞になるし、肝細胞に育つ遺伝子を与えれば肝細胞に、心臓の筋肉に育つ遺伝子を与えれば心筋細胞ができることになる。

この「iPS細胞」の作製成功により、山中教授は2012年のノーベル医学・生理学賞を受賞することになったわけだが、活用方法として最も注目されているのが、再生医療への応用だ。つまり、病気や怪我によって失われた機能を回復することが可能となる。神経が切断された場合には、「iPS細胞」によって作られた神経細胞を移植することによって、失われた神経ネットワークを再構築することも可能だ。もちろん、冒頭で紹介したハゲを解消することも可能となる。

また、病気の原因の解明や新薬の開発にも期待が寄せられている。治療が難しい難病患者の体細胞から「iPS細胞」を作り、それを患部の細胞に分化させて、患部の状態や機能の変化を研究することで、病気の原因が解明できる可能性があるとされる。さらに、その細胞を利用すれば、人体実験できない薬剤の有効性や副作用を試験でき、新薬の開発が進むと期待されている。

再生医療は2050年に「38.4兆円」市場に育つ

経済産業省の試算では、再生医療の市場規模は、2012年に国内90億円、世界で1000億円だったものが、2050年に国内で2.5兆円、世界で38.4兆円規模に育つとされており、「iPS細胞」に寄せる市場関係者の期待も大きい。

株式市場で「iPS細胞」関連として最も注目されるのが、2015年6月に東証マザーズ市場に新規上場した創薬ベンチャーのヘリオス <4593> だ。同社は山中教授の「iPS細胞」特許を管理するiPSアカデミアジャパンと、網膜色素上皮細胞で特許実施権許諾契約を締結し、「iPS細胞」を使って難治性の眼病の「加齢黄斑変性」の治療を目指している。このヘリオスと共同開発契約を締結し、大株主ともなっているのが大日本住友製薬 <4506> 。このほかヘリオスの大株主には前臨床試験受託開発最大手の新日本科学 <2395> 、ガン免疫療法で細胞加工を手掛けるテラ <2191> 、細胞培養システムを展開する渋谷工業 <6340> のほか再生医療分野への進出を図るニコン <7731> などがある。

このほかでは、アステラス製薬 <4503> が2013年に「iPS細胞」を使った治療法の研究チームを設立しているほか、2015年には武田薬品工業 <4502> も山中教授が所長を務める京大iPS細胞研究所との共同研究契約を締結している。「iPS細胞」の量産化を図るアイロムHD <2372> 、「iPS細胞」の培養技術を有するリプロセル <4978> 、横浜市大と共同研究で「iPS細胞」から、小さな肝臓を量産する技術を開発したクラレ <3405> 、解凍後も「iPS細胞」の死滅を防ぐ凍結法を開発したセーレン <3569> 、子会社が「iPS」細胞から心筋細胞を効率よく生成する技術を開発した第一三共 <4568> 、東大と「iPS細胞」を用いた免疫細胞治療を共同開発したメディネット <2370> 、iPSアカデミアジャパンと提携しているタカラバイオ <4974> 、細胞培養のための培地を開発している味の素 <2802> とニッピ <7932> 、自動培養装置を手掛けるカネカ <4118> 、ニプロ <8086> などが注目できる。(金融ライター 鈴木ロミオ)

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