企業による「地方金融機関を支援する」動きが広がっている。地方経済が発展するうえで欠かせないものだが、具体的にどのような支援があるのだろうか。地域活性化に取り組む4つの企業事例を紹介しよう。
「まちづくり」の支援を通じ地域活性化を目指す
2015年3月、有限責任監査法人トーマツは「地域金融活性化推進室」を設立した。同法人の強みである多様な専門知識を有する人材と、全国約40都市の拠点を活用したネットワークを活かして「地域活性化に向けた地方金融機関の取り組み」をサポートするのが目的だ。
具体的には、顧客事業の評価サポートや地域企業経営者向けの研修、事業承継、M&Aのバックアップから、金融機関のビジネスモデルの変革・経営課題に対してのサポートにも取り組んでいる。こうしたサポートを通じて、まちづくり、地域人材の育成、地域企業の創業や再活性化などの実現を目指す。
アプリ開発を促進 IBM Bluemixコンソーシアム
日本アイ・ビー・エムと日本情報通信は2015年10月、「地方銀行向けBluemixコンソーシアム」を設立した。地方銀行や開発のパートナー企業を対象に、「IBM Bluemix」をはじめとした最新テクノロジーなどに関する情報交換や研修を提供している。「IBM Bluemix」を使うと、クラウド上で簡単に様々なアプリ開発や実行、管理ができるのだ。
それ以外にも、金融機関が求めるセキュリティが整った環境の下で、新しい顧客接点アプリを開発できるクラウド環境を提供する。両社はコンソーシアムを通じてアプリの開発や応用を支援することにより、地方銀行のFinTech活用推進を目指す。
スマートフォン向け「信金向け営業支援システム」
NEC <6701> は、スマートフォン向けの「信用金庫向け営業支援システム for Android」の提供を開始している。訪問予定の管理、勘定・預かり処理、顧客情報の照会、訪問結果の登録などの営業業務をスマホで実現するものだ。
特筆すべきポイントは、スマートフォンを活用して個人情報端末などと同等の営業業務ができることだ。地方銀行や信用金庫でそれぞれ導入実績のあるシステムをパッケージ化しており、情報の一覧性や情報漏えいを防止するセキュリティ機能が強化されていることなどが特徴だ。
本日公開 地方金融機関に人材を紹介する「nezasスカウト」
地方活性化のキーワード「まち・ひと・しごと」の中で、「ひと」に対して特化したサービスは意外と少ない。そうした中で、今回「ひと」に注目して、だいこう証券ビジネス <8692> がリリースしたのが「nezasスカウト」だ。「地方で働きたい」という個人のニーズと「金融機関に人材を」というファクターを直結させ、これまでにない成果が期待されている。
本日公開されたサイトではフリーワードのほか、都道府県、業種、職種などから検索することができる。
今まで地方企業向けに人材を紹介するケースが大部分で、地方金融機関はその橋渡しが多かった。「nezasスカウト」は260行以上の地方金融機関との取引実績を活かし、バックグラウンドは関係なく、都市部の幅広い人材を地方金融機関と結び付ける狙いがある。
地元に新しいビジネスを誘致し、根付かせていくことは、地方金融機関の使命であり、地域経済活性化の要だ。この使命を全うするためにも、「地方金融機関自体に対する支援」には今後も注目だ。(ZUU online編集部)
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