荒れ相場,V字回復銘柄
(写真=PIXTA 記事=株主手帳2016年4月号掲載)

マーケットは、新たに日銀のマイナス金利導入や欧州信用不安、南シナ海の地政学リスク、米大統領選候補者からのドル高けん制発言なども加わって売り材料に事欠かない状況となり、2016年の1月、2月と荒れた相場が続きました。

前年から続いている原油価格の低下や中国・上海株の下落に象徴される世界経済の減速懸念や、米国の利上げによる市場の混乱も続く中、銘柄選別に当たっては、これらの海外要因により、日本株も特殊な状況に置かれていることを念頭に置かざるを得ませんでした。

また、海外投資家が買い材料が見当たらない日本株を売り越しとなっていることや、外国為替市場でドル円、ユーロ円の円高が大幅に進行していることも考慮に入れる必要がありました。

具体的な選別方法については、こういった荒れ相場で手堅く利益を取りに行くには配当利回りの高い銘柄に着目するというのが、ひとつの着眼点となります。

もちろん、高利回りなとどの銘柄でもよい、というわけではありません。その会社独自の技術やノウハウがあり、市場のテーマとして取り上げられやすい銘柄をピックアップしていく必要があります。

次に注目したいのは、来期に二桁以上増益する、あるいは黒字化するなど業績がV字回復する見込みの銘柄です。ただ、早耳筋の買いにより上げても一過性の動きに終わるケースが少なくありません。したがって、ここでも他の観点からのチェックが必要になります。

今回もケーススタディとして3銘柄を取り上げ、銘柄の選別から売買の要所までをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

エイシアンスター <8946> ・JQ

エイシアンスター(ASIAN STAR)は、横浜を中心に不動産の賃貸管理や賃貸・売買の仲介を手掛ける不動産会社で、これまでに日銀の追加緩和期待や東京五輪関連でも人気化して買われたことがあります。

業績は、2015年12月期は子会社売却益のはく落により落ち込んだものの、2016年12月期はリゾート地の土地販売や首都圏の戸建て開発など不動産販売事業が伸長。中国事業も順調で、前期に仕入れたリゾート地の販売進捗も寄与し、連結経常利益は前期比で11・1%増と回復する見通しとなっています。

今回は、この業績の急回復を受けて、昨年12月18日に株価が動意づき、昨年5月以来となる200日移動平均線を突破しました。この時期、中国市場の急落や人民元安、中東や北朝鮮の地政学リスクを背景としたリスクオフの動きにより、主力銘柄が軒並み急落しましたが、エイシアンスターは逆行高して異彩を放ち、1月14日には年初来高値を更新しました。

1月18日に窓を開けて下落したものの、1月25日にはこの窓を埋めて1月14日の高値を超えてきたので、引き続き年初来高値更新の動きが期待できると判断して、1月27日の大引け後に目標株価を290円として250円での買いを推奨しました。

その後、地合いの悪さから2月12日には安値190円まで売られる場面があったものの、押し目ではすかさず買いが入って切り返し、2月17日に292円の高値をつけて目標株価を達成。2月24日には316円の高値まで買われるなど、目論見通りの動きとなりました。

グリーンペプタイド <4594> ・東マザ

がん免疫治療用のペプチドワクチン開発を中核とするグリーンペプタイドは、久留米大学発のベンチャー企業です。ペプチドワクチンの開発は同社と久留米大学、富士フィルムの三者の共同により進められ、すでに臨床試験も始まるなど、「第四の治療法」として期待されるガン免疫療法の分野での同社の動向に注目が集まっています。

業績面では、研究開発費がかさんでいることから、足元の業績は2015年3月期から赤字が続いているものの、今年1月6日に、2018年にも医薬品医療機器総合機構(PMDA)にがんペプチドワクチンを薬事承認申請する方針で、早ければ2019年の発売の見込み、と一部で報道されたことが買い材料視されて人気化しました。

株価は1月6日の報道を受けてストップ高を交えて急騰し、1月14日に上場来高値615円を付けてきました。その後、一時調整に転じたものの、25日移動平均線でサポートされたことから、下値確認日は再び上昇すると判断し、1月27日の引け後に391円での買いを推奨しました。2月2日には511円まで反発して買値から30%上昇する場面もあり、混乱の続くマーケットを尻目に、大きな成果を得ることができました。

リンクアンドモチベーション <2170> ・東1

リンクアンドモチベーションは経営コンサルティングの大手で、モチベーションの観点からの企業変革や人事・教育支援、採用・動員支援のためのコンサルティングに強みを持つ企業です。また、昨年7月にはヘルスケアベンチャーのFiNC(本社=東京都中央区)と事業提携して、社員の心と体が健康な組織づくりをサポートするサービスを開始。さらに、PC教室のアビバや資格取得学校などを買収するなど、事業の拡大に積極的な経営姿勢が評価されています。

業績は、就活時期の変化による影響でコンサル業務が想定以下となって2015年12月期は純利益が赤字となったものの、2016年12月期は大手企業向けの人材育成や採用関連のコンサルティングが復調して黒字化の見込みで、急速な収益改善に向けて次々と手を打っています。また、年間配当も60銭増の5円とするとの発表があり、株主重視の姿勢が好感されています。

2016年に入って変動率の高い相場が続きましたが、このように相場が荒れてくると、高利回りのディフェンシブ銘柄に避難的な買いが集まりやすくなります。同社もその例外ではなく、株価の低迷により配当利回りが4%台に上昇していました。この高利回りに着目し、2月10日の引け後に107円での買いを推奨しました。

株価は、祝日を挟んで翌営業日となる2月12日に一瞬100円割れとなったものの、その後は持ち直して25日移動平均線を回復し、2月22日には119円の高値まで買い戻されて、手堅く利益を手にすることができました。(記事提供= 株主手帳 )

銘柄選定術

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