G7,財政,物価目標
(写真=PIXTA)

4月のコア消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年同月比-0.3%(コンセンサス同-0.4%程度)と、3月(同-0.3%)に続き、2ヶ月連続のマイナスになった。これまでの原油価格下落の影響がまだ残り、コアを大きく押し下げている。

しかし、4月のコアコア消費者物価指数(除く・食料エネルギー)も同+0.7%(3月同+0.7%)となり、昨年11月の+0.9%のピークから減速が明確になってきている。

財政政策は急務、実施は7月の衆院選後か

10-12月期と1-3月期の実質GDPが前期比年率-1.7%と同+1.7%(うるう年の効果を除けばまずかなプラス)と弱く、+0.5%程度とみられる潜在成長率を一時的に下回るなど、エネルギーだけではなく、需要が不足していることが、物価の上昇を抑制していることも明らかになってきている。内閣府の試算では2015年10-12月期に需要不足がGDP対比1.6%程度(8兆円程度)あると推計している。

需要を刺激するためには財政政策は急務であり、既に実施されつつある2015年度の補正予算による経済対策(3.5兆円程度)、熊本の震災対策(1兆円程度)、そして7月の参議院選挙後とみられる2016年度の補正予算による景気対策(最低限で5兆円程度)が合わせて実施されると考えられる。

G7での方向性、議長国として求められる主体性

G7サミットでは機動的な財政政策の実施を強化することが宣言に明記されるとみられ、議長国として安倍首相は各国の政策総動員の方針をまとめようとかなり前のめりに奮闘している。大規模な景気対策の実施で、G7で合意された政策の方向性がしっかりしたものであることを、まず日本がその強いコミットメントで示す必要に迫られるだろう。

財政による需要追加もあり、年後半には需要不足は解消の方向に向かっていくと考えられる。原油価格も持ち直してきた。製造業の在庫調整がグローバルに物価の下押し圧力になる局面は、既に脱しつつあると考えられる。夏場までは現状程度のマイナスの水準で、コアは底這う可能性が高い。

物価目標の達成は困難、原因は需要の弱さ

秋から冬にかけて持ち直し、2017年の前半には、消費税率引き上げの影響を除き+0.5%程度ま回復していくだろう。その後、低水準の失業率と総賃金が拡大していることで、1%程度の物価上昇の中期的なトレンドは継続すると考えられる。

しかし、日銀が目指している2017年度中の2%の物価目標の達成は困難であり、大規模な金融緩和の状態は継続していくことになろう。

5月の東京都区部のコア消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年同月比-0.5%と(コンセンサス同-0.4%)、4月の同-0.3%から原油価格が持ち直す中でも下落幅が拡大している。季節調整済前月比では3ヶ月連続マイナスであり(-0.2%・-0.1%・-0.2%)、需要の弱さに起因する足元の物価の弱さを示している。

会田卓司(あいだ・たくじ)
ソシエテジェネラル証券 東京支店 調査部 チーフエコノミスト

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