インド準備銀行(RBI)は金融システムの効率化を図る一環として、インド全土に設置された4000台のATM調査を実施。「3分の1が正常に機能していない」という驚愕の事実を、5月23日にムンバイで開催されたカンファレンスで明らかにした。

現金切れ、紙詰まり、システムエラーを含む物理的な問題のほか、複数のATMが「規制で定められている必要表示事項を画面に表示しない」「十分な電力が供給されておらす、利用停止になっている」といったずさんな現状に、S.S.ムンドラ副総裁は「あらゆる点で懸念が高まる」とコメント。改善が見られない場合は罰則を課する意向を示した。

RBI「消費者重視のサービスへの切り替えを」

世界中の銀行がATMネットワークを急速に拡大している。RBIの調査によると、インドでも2007年には2万7000台だったATMが、10年足らずの間に20万台に達する勢いで増え続けている。

しかし今回の調査対象となったATMでは、機械の故障から電力不足といった「インドではありがち」な問題が原因で、消費者が安心して利用できるサービスが十分に提供されていないことが発覚した。

ATMの維持は銀行にとってはコストが高くつくことから、それを補う目的で消費者から利用手数料を徴収する銀行も多い。インドでは1カ月の利用回数が3回を上回った場合(利用先の銀行に口座を所有している場合は5回以上)、銀行は消費者に一定の手数料を課すことが認められている。

しかし今回の調査結果を見る限り、維持費に役立てる目的で徴収されているはずの手数料が、どこかほかのところへ消えてしまっているのは明らかだ。

ムンバイに拠点をかまえるDCB銀行は「問題が生じた際、いかに素早く対処、解決するかが重要だ」とし、ATMモニタリング・サービスを採用することで、可能な限り顧客に快適なサービス環境を提供する努力をしているという。

RBIはほかにも、インドの銀行の多くが「非常に割高な商品およびサービス料金を消費者に課している」と指摘し、「消費者が信頼をおけるサービス」の向上に努めるよう、各金融機関に呼びかけている。( FinTech online編集部

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