英国に本支社置く金融機関はどうするのか?

また穏やかではないのが英国に本社・支社を置く金融機関だ。本社を置くモルガンスタンレーのコルム・ケレハー社長は欧州本社をダブリンかフランクフルトに移す可能性があると語っており、他の金融機関もオフィス縮小や移転の準備を進めている。

またEU離脱による格付け降格や経済下ブレリスクもあり、それに伴う資金調達コストの上昇と電力 ガス 英国それに伴う発行済み債券の値下がりによる簿価資産が減るといった影響もある。こういったことから、金融機関株に投資するのは二の足を踏んでしまう状況と言えるだろう。

またEU間では関税がかからないということもあり、英国に進出している企業の収益予測及び事業計画はそれをベースに計算されている。そのため、英国に進出していた国内企業も支社を移すなどの経営方針の転換を迫られており、経済への直接的な影響は少ないとはいえ、決して安心できる事態ではない。

注目高まるディフェンシブ銘柄

そんななかで脚光を浴びているのが「ディフェンシブ銘柄」だ。

ディフェンシブ銘柄とは「電力・ガス」「食料品」「医薬品」「鉄道」などいわゆる「生活必需品」の銘柄で、景気動向に左右されにくいという特徴がある。そのため経済の下ブレリスクがある段階でも価格は比較的安定しており、こういったタイミングでは安心して持てる。

ディフェンシブ銘柄が注目されている背景としては先に挙げたEU加盟の英国以外の国の動向が読めないことや、2016年11月に控えた米国大統領選挙とそれにともなうマーケット調整など、まだまだ不透明なイベントが待ち構えているためだ。

これらの状況を踏まえると、「こういったときにこそ安定した銘柄に資金を」という動きは当面、強いままと考えられる。

土居 亮規 AFP、バタフライファイナンシャルパートナーズ

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