複数のカードと延滞金の落とし穴

2つ目の問題は「クレジットカードが簡単に手に入る」という危険性だ。

若い世代の所得や貯蓄額が少ないのは世界共通だろう。経済的な援助を期待できる両親がいない若者の多くが、貯蓄はおろか毎月の出費を心配しながら、心細い生活を送っている。

こうした若い世代にとっては、ささいな予期せぬ出費(病気、事故など)が生活を狂わせかねない。失業ともなれば、全面的に依存できるのはクレジットカードを含む、高利息の融資だけだ。それに加え、消費の誘惑がいたるところで待ち構えている。日ごろのストレスを派手な消費で発散するという行為は、決して珍しいことではないはずだ。

調査に協力した24歳のメキシコ人女性は、仕事を3つから5つかけ持ちしていたにも関わらず、気がつけば6万1000ドルの負債を抱えていた。多くのミレニアル世代の例にもれず、学生ローンの返済とデート用の洋服や化粧品に、クレジットカードをフル活用していた結果だ。

この女性の場合は数えきれないほどの支払いを管理しきれず、残高不足から延滞金が膨れあがり、借金で首が回らなくなった。彼女の母親や周囲の人々も同様に、複数のクレジットカードの返済で苦しんでいたという。

「貧しい人ほどクレジットカードに依存する」と、クレジットカードの甘い罠にはまりやすい環境が実在することを認めたうえで、「クレジットカードは貧しい人をさらに貧しくする」と警告を発している。

年齢、教育レベル、人種、環境と返済滞納を関連性づけてしまうと、今後これらの層がクレジットカードや住宅ローンを申請する際、妨げになりかねないという懸念もでているが、今後消費者の意識を向上させるだけではなく、カードを発行する金融機関にも、適切な状況改善策が求められるべきだろう。(ZUU online 編集部)

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