総資産額2兆1850億ドルを誇る米大手バンク・オブ・アメリカも、低金利が足かせとなり、第2四半期の収益は19.4%減。前年の223億4500万ドル(約2兆3734億円)から、200億6000万ドルに落ち込んだ。

しかし1株当たりの利益は市場の予想を超えて36セント(約38円)。7月18日の株価も、13.60ドルから14.20ドル前後まで上昇。

第2四半期決算報告では、シティバンクとJPモルガン・チェースに次いで最高の利益をあげ、トップ3バンク入りを果たしたが、今年5月にブライアン・モイニハンCEOから、追加リストラを示唆する発言が聞かれている。

モイニハンCEO「低金利環境は銀行の利益を押し下げるだけ」

新興経済の失速、原油価格の崩壊、長引く低金利、英EU離脱など、市場を混乱させる問題が相次ぐ中、多くの銀行が難局から利益を絞りだそうと苦戦している。

バンカメも今年に入ってすでに株価が20%下落したほか、小規模なエクイティ取引は7.6%落ちこむなど、決して一路順風といった状況ではない。

モイニハンCEOは、トレーディング収益が11.7%増(37億ドル/約3927億9200万円)、確定利付債や商品投資による収益が22.2%の伸びを見せている点などに希望を見いだし、「堅硬な成長戦略が成果をあげている」と、第2四半期の決済報告に満足している様子だ。

しかし5月には、「低金利環境は、銀行が生みだす利益を押し下げるだけだ」と、中々追加利上げに踏み切らない連邦準備制度(FED)に対する不満をあらわにし、低金利が長引けばさらなる人員削減が実施せざるを得ない可能性をほのめかしている。

バンカメは2008年のリーマンショック以降、大規模な人員削減を定期的に実施しており、ファイナンシャル・タイムズ紙のデータによると、昨年だけでも1万人、2009年からは4万人の従業員を解雇している。