18日の東京市場は、ドル円相場が105円45銭で始まり、トルコのクーデター鎮圧などの要因から106円付近まで値を戻したものの、祝日のため、市場参加者は限定的で方向感の乏しい展開となり、105円台後半での推移となった。海外市場では、105円台前半を付ける場面もあったものの、ダウ平均株価が史上最高値を更新したことなどからリスクオンの流れとなり、106円27銭まで上昇した。

19日の東京市場は、前日の流れを引き継ぎ、106円台前半で推移していたものの、実需のドル売りの動きから105円64銭まで下落した。海外市場では、米6月住宅着工件数が市場予想を上回ったことなどから106円55銭まで上昇したが、IMFが世界経済見通しを下方修正したことで、106円を割り込む水準まで下落した。

20日の東京市場は、前日海外市場の水準から方向感の乏しい展開となったものの、海外市場では、米国が年内利上げの可能性が出てきたに加え、政府の経済対策規模拡大報道から、円安が進み、一時、107円03銭まで上昇した。

21日の東京市場は、前日の流れを引き継ぎ、107円50銭まで上昇したものの、その後は上値の重い展開となった。海外市場では、ヘリコプターマネーの検討について、黒田日銀総裁がBBCラジオのインタビューで「必要性も可能性もない」と述べたとの報道から、一時、105円41銭まで下落した。ただ、インタビューが1ヶ月以上前の話であると伝わると、105円台後半まで値を戻してニューヨーククローズとなった。

22日の東京市場は、前日に続いて、緩和期待が低下したことで、円高傾向となり、105円57銭まで下落した。海外市場では、FRBによる年内利上げ利上げの可能性の上昇からドルが買われ、106円14銭で週の取引を終えた。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、26日の米6月新築住宅販売件数、26日から27日のFOMC、28日から29日の日銀金融政策決定会合および黒田総裁会見、29日の6月消費者物価、6月労働力調査・有効求人倍率、6月鉱工業生産、米4-6月期GDPなどである。また、米大統領選挙民主党全国大会が28日まで開催され、党候補が正式指名される。

今週の外国為替は、FOMCでは追加利上げの可能性は低いものの、良好な米国経済指標から9月以降での緩和の可能性が高まっており、声明文の内容に注目が集まっている。声明文の内容変更次第では、ドル買いが進むだろう。

日銀金融政策決定会合では、エコノミストの多くが追加緩和を予想しているものの、黒田日銀総裁がヘリコプターマネーを明確に否定したことで、市場の期待を上回る規模の金融緩和は行われない可能性が高く、円高要因となるだろう。

テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、マイナス1σから移動平均線の間であり、週足14週のRSIは、40%台半ばとなっていることから、中立に近い水準となっている。

以上のように、FOMCでの利上げ期待から円安が進む可能性はあるものの、日銀金融政策決定会合でのサプライズ緩和は望み薄であるため、中立で考えるのが妥当だろう。

ただ、IMM通貨先物ポジションで、円買いポジションは多少減ってはいるものの、引き続き円買いに傾いていることを考えれば、FOMCないし、日銀金融政策決定会合の内容次第で、円売りの流れとなった場合には、手じまいの動きからその流れに拍車がかかる可能性もあるはずだ。(ZUU online 編集部)

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