運用5年目の正統派「SNS」ETFは3年で12%のリターン

AIや人気投票で銘柄を選ばずに、SNS、ビッグデータの関連銘柄に投資する王道ファンドも紹介しておこう。

代表的な「ソーシャルメディアETF」は、2011年11月14日に設定された「Global X Social Media ETF」だ。ティッカーは「SOCL」、運用総資産は6494万ドル(約68.2億円)と前述の2本のETFとは桁が違う。7月18日の引け値で21.66ドルと、やはり1口3000円もしないで買える。一年間のパフォーマンスはプラス5.3%と好調だ。3年リターンも12.2%と高い。

「ソーシャルメディアETF」と名乗るだけに、投資対象は当然テクノロジーセクターでSNSに関連した銘柄のみ。ポートフォリオのコアは、ビジネスネットワーキングのLinkedIn、中国ネット関連大手のテンセント、Facebook、Twitterがトップ4銘柄だ。SNSの将来性に掛けるなら、このファンドが適しているだろう。

ビッグデータETFは運用1年、今後の成績に期待?

代表的な「ビッグデータETF」が、「PureFunds ISE BIG Date ETF」で、2015年の7月15日に設定されたので、運用開始から丸1年が経っている。ティッカーは、ビッグデータにちなんで「BIGD」。7月18日引け値では24.02ドル、運用総資産は114万ドル(約1.2億円)とまだ大きくはない。一年間のパフォーマンスはマイナスの6.3%なので、これからに期待といったところだろう。

同ETFのポートフォリオの保有1位は、ソフトウェアのプロス・ホールディングス、2位が金融サービスのブラックナイト・フィナンシャル・サービス、3位がソフトウェアのOracleだ。ビッグデータに絡んだ会社のみで、構成されたポートフォリオになっている。

日本でも生まれる?SNS連動型ETF

日本ではまだビッグデータとAIで運用するETFはないが、米国での運用成績次第では、今後誕生する可能性もなくはないだろう。

どんなに優れたファンドマネージャーでも、すべての銘柄を見ることはできない。また、得意とするセクターの偏りや、投資に対する振れが生じる可能性がある。

一方、AIによる投資は、そういった振れを排除し、常に大衆の注目度が高い銘柄をピックアップしていく。注目度が高いと言うことは、売上に直結する可能性も強く、逆張りには向かないだろうが、順張りには向いているかもしれない。

ただ、SNSの銘柄選定への利用に懐疑的な見方もある。ビッグデータであっても、あくまでもSNSのデータは全体的な市場のコンセンサスである。市場はコンセンサスが勝つとは限らない。

またビッグデータでは、今のところアナリストを補完することはできない。機械は投資判断の中で、情報それぞれの重要性を判断することは、難しいといわれている。企業のターンラウンドや変化を嗅ぎ取る、といった作業は現時点ではまだ苦手だろう。

メリット・デメリットを理解した上で、先行する米国のファンドのパフォーマンスや保有銘柄を、継続的にフォローする価値は高いのではないだろうか?(ZUU online編集部)

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