大衆に歩み寄るライバル企業とは正反対のアプローチ
新たな事業展開に向け、UBSの元COO、チャールズ・バックリー氏を迎えの出陣となるが、裕福な起業家、天然エネルギー、バイオ技術、通信産業などの事業主に顧客層を絞りこみ、既存の投資銀行とはひと味違った戦略をとるようだ。
クレディ・スイスが特に超富裕層が急増中のアジア地域で、ウェルス・マネージメント事業の拡大を狙っている件については以前から報じられていた。アジア超富裕層の資産総額がついに北米を上回ったことは、フランスの国際コンサルティング会社、キャップジェミニの調査からも明らかになっている。
超富裕層にのみ目をむけるというクレディ・スイスの新戦略は、近年懸念が高まる貧富の格差を露骨に体現化したものであり、激化する生存競争に勝ち抜く手段として、「消費者に優しい」イメージに方向転換を図ろうとしている多くの銀行とは、正反対のアプローチだ。
最近の一例を挙げると、クレディ・スイス同様に「富裕層の投資銀行」として名高い米ゴールドマン・サックスが、顧客層拡大戦略の一環として、1ドルから口座開設可能な一般消費者向けオンライン・バンキング・サービスを開始し、世間を驚かせた。
大手金融機関が数々のスキャンダルや業績不振に見舞われた結果、大量リストラによって大衆を切り捨てながら大衆側に歩みよろうと画策しているのに対し、クレディ・スイスはあえていい訳めいた謝罪をつけることなく、「最大限の利益創出」という道を選ぼうとしている。へたな下心が見え隠れしないぶん、ある意味潔いといえなくもない。(ZUU online 編集部)
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