民主党は支持基盤の願いを叶えられていない問題

米国人の多くは中流階級および労働者階級だが、彼らの家計水準は過去15年間実質的には改善していない。2014年の家計所得は5万3657ドル(中央値)と1999年の5万7843ドルと微減していることが、米国勢調査で明らかになっている。一部の富裕層に富が集中していると、2011年には2カ月に及ぶ、大規模なデモも起きている。

経済では、中国の台頭に押されており、米国の象徴的産業であった自動車産業も昔の面影はない。海外に目を向ければ、ISやテロとの戦いも思うようにいかず、戦争の終りが見えない。平和主義のオバマ政権に変わり、毅然とした態度を取らない米国となってしまったことに、不満を感じる国民は多い。超大国としての力が失われ、他国からの尊敬も失っているように感じるのだろう。

胸に秘めた不満を、はっきりと声高に主張したのが、トランプ氏である。物言いは過激だが、国民の心の声を代弁してくれている、と感じた人が支持者の中にはある程度いるだろう。

”Hilary for America”? or “Make America Great Again”?

マーケットの状況を見ると、クリントン氏が有利であると思われるが、国民の不満が原動力となってトランプ氏を押し上げている以上、どちらが勝つかは全く不透明な状態だ。トランプ氏が当選すれば、一旦株価は下落すると予想される。

選挙には魔物が住んでいることも、金融市場の行方が見通せないことも、先のBrexitを見ればよく分かる。一日にして3兆円以上の時価総額が世界で失われながらも、英国では年初来高値を更新する場面もあった。

各国の火種に取り巻かれながらの大統領選は、最後まで接戦が予想されるので、今後も注意を払いに越したことはない。長期休暇前等と同様、トレンドを見通せないと感じたならば、手仕舞いしてみるのも一つの手かもしれない。(ZUU online編集部)

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