アジア圏のビリオネア人口、資産総額の成長率は世界一

注目すべきは、ビリオネアの87%が自らの手で巨額の富を築いたという点だ。それと同時に若い世代に生前贈与をおこなうビリオネアも急増しており、今年新たにビリオネアの仲間入りをした148人中、3分の2が相続によるものだ。

最も新ビリオネアが生まれた地域はアジア圏で、ビリオネア数は北米を超える15.2%増の645人、資産総額総額は19.5%増の1兆6860億ドル(約170兆5895億円)。

地域を大きくわけて成長率を見た場合、EMEA(欧州、中東、アフリカ)が1013人で2兆8480億ドル(約288兆1606億円)と、北米やアジアを上回るが、細分化してみるとまったく異なる事実が発見できる。

数字的には欧州の806人、2兆3300億ドル(約235兆7494億円)や、北米の628人、2兆5600億ドル(約259兆208億円)に、アジアはまだまだ届かないものの、これらの地域ではビリオネア人口の成長率が3.1%から4%増にとどまっており、欧州に至っては資産総額が1.9%おちこんでいる。

アフリカ、南米、太平洋地域も、ビリオネア人口は増えているにも関わらず、軒並み資産総額が4.5%から27.8%まで低下。

人口、資産総額ともに上昇を見せているのは、アジア、北米、中近東地域のみだ。こうした成長の移行から、「将来的にアジアが欧州や北米を追い抜く可能性も高い」と予測されている。

実際に仏国際コンサルティング会社、キャップジェミニの今年7月のレポートでは、「昨年のアジア超富裕層の資産総額が史上初めて世界一になった」と報告されている。

ほかに「米フォーブス誌の今年3月の発表ではビリオネア数が減っていた」という指摘もあるが、この種のデータは常時最新のものに更新されているため、短期間で差異が生じるというのが各調査元の解釈のようだ。

いずれにしてもアジアに集まる巨額の富が、急増している事実には変わらない。また「富める者がさらに富む」という現実も、動かしようがない。(ZUU online 編集部)

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