日清食品 <2897> の業績が好調だ。2016年4~6月の売上は前年同期比10%もの伸びを示している。売上が5000億円にも達する大手食品会社で、2ケタの伸びを示すのは異例である。
日清食品の株価も、2013年から15年にかけて倍以上に上昇。現在は、昨年11月の高値6620円を下回っているものの、今年5月の安値4950円からは水準を切り上げている。日清食品が快走するヒミツを探ってみよう。
日清食品の一人勝ち?
8月8日に日清食品は2017年3月期の第1四半期(4~6月)決算を発表した。それによると、売上は10.0%増の1155億円、本業の利益を示す営業利益は21.8%増の68億円となった。
日本の食料品市場は成熟しており、大手食品メーカーの売上の伸びは日本のGDPの成長程度というのが常識とされている。日本で食品最大手のJT <2914> の4〜6月の売上は前年同期比で6.2%減、第2位のキリン <2503> の売上は5.5%減、3位のアサヒグループホールディングス <2502> が0.2%増だ。即席麺で競合するマルちゃんの東洋水産 <2875> も4~6月の売上は1.2%減である。
こうしてみると日清食品の好調さが「際立っている」のが分かるだろう。
カップヌードル45周年、どん兵衛40周年
日清食品の主力商品は、売上の45%を占めるカップ麺である。カップ麺(日清食品部門)の4~6月の売上は、6.8%増の517億円と好調だ。
発売45周年を迎える「カップヌードル」の売上が引き続き好調であったことに加え、カップヌードル初のプレミアムタイプで、これまでにない贅沢なスープが特徴の「カップヌードルリッチ」も売上増に貢献している。
発売40周年を迎えるロングセラー商品の「日清のどん兵衛」も好調だ。同じく今年発売40周年を迎えた「日清焼そばU.F.O.」も「エクストリーム」をテーマとした新CM、連動したWEBプロモーションが話題となり、売上も好調に推移している。
ロングセラー商品と言えども、時代にあわせてリニューアルし、ターゲットを絞ったマーケティングを実践していることが、功を奏したといえるだろう。