休眠口座は簡単に解約できるの?

休眠口座の解約の手続きは少しやっかいかもしれません。

通帳やキャッシュカード、印鑑が揃っていれば問題はありません。通帳や印鑑を紛失してしまった場合、或いは引っ越しをしたり、結婚して姓が変わったのに口座をそのままにした場合は、住民票などが必要になります。

とはいえ、あまりに残高が少ないと交通費や書類などの手続きにかかる費用のほうが高くついてしまう可能性もあるので、悩ましいところです。でも、やはり自分の口座ですから、しっかりと管理することをお勧めします。

平成26年度に155億円が権利消滅!「旧郵便局」の定額貯金、定期貯金

「期限をすぎても、自分の預金が手元に戻ってくるならひと安心」ですが、例外もあります。旧郵便貯金だけは注意が必要です。

「定額貯金」と「定期貯金」を眠ったままにしてしまうと、預けたお金が本当に消えてしまうのです。

現在の「ゆうちょ銀行」に預けた場合は、他の銀行と同じように権利が保証されます。しかし、2007年9月までに旧郵便貯金に預けた定額貯金、定期貯金は満期をすぎてから20年と2カ月放置すると、権利が失効してしまい、自分のお金ではなくなってしまうのです。もちろん引き出すこともできません。

権利が消滅したお金は、国庫に入ります。独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構によると、平成26年度末の睡眠貯金残高(休眠口座残高)は、なんと4749億円もあるといいます。また平成26年度に権利消滅したお金は155億円です。

通常の郵便貯金には適用されませんが、もしも定額貯金や定期貯金が残っているなら、権利を失わないように確認しておきたいものです。

少々手間がかかったとしても、自分のお金は自分で管理するのが基本です。お金は増やすことも大切ですが、無駄に「減らさない」ことはより重要なのです。この機会に放置された貯金通帳がないか確認してみてはいかがでしょうか?

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。